天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
普段はすごく優しいのに、ベッドの上での律はこうして私を責め立てる。

それでも私に触れる手も指も、見つめる瞳も、キスをする唇も全部、丁寧に扱われる。

声も蕩けそうなくらい甘い。

「翠、好きだよ」

「私もっ…」

「離さないから」

それはどういう意味で…?
と一瞬思ったがもう私の思考は正常じゃない。

そのまま聞き返せないまま私はまた絶頂に達し、律に覆い被さった。

律が私の息が整うのを待ってくれている。
頬やオデコにキスをされ、見つめ合う。

「気持ちいい?」

「わかってるでしょ…」

「ククっ、言わせたいんだよ」

そう言ってくるっと向きを変えられ私はベッドに縫い付けられる。

すると律は私の髪をひとつ掬った。
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