天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
そして料理がくるまでまた懲りずに携帯と睨めっこする。

あったまくるわ。
カッコ良すぎなところも余計に腹立つ。

一瞬壁にでもぶつかったのかと思ったわ。

にしたって自意識過剰すぎない?

君みたいな女?

どういう女よ!
知りもしないくせに!

ふざけんな!

出るわ出るわ、私の心の叫びは止まらない。

涙まで流したってのに…

いや、それはそれか。
演奏は素晴らしかった。
それは本当に。

勝手に良い人だと思い込んでしまうくらいに。

演奏以外はガッカリだわ。

あんな見た目でさぞかしオモテになるんでしょうよ。
はっ!
バカバカしい!

カリカリしていればウニのクリームパスタが運ばれてきた。

「お待たせ」

「ありがとう。いただきます」

このパスタに罪はない。
ここは気持ちを切り替えて美味しくいただきましょう。



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