天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
「そんな翠が好きだ」

そう言って耳をかじられる。

「ふっ…はぁっ」

すると私の身体を弄んでいた手が離れて私を抱き上げると、階段を下りてプール付きのテラスへと連れて行かれた。

そばに置かれているキャンドルに火を灯すと、満点の星空にキラキラ光る海とここが全部繋がったような世界はとても幻想的だ。

そっとバスローブを肩から下される。

恥ずかしいのに、私を見つめる瞳から目が離せない。

腰に手が回り引き寄せられると噛み付くようなキスが降ってきて、そのままザブンと浅めのプールに入った。

こんな非日常的な世界の中、今度はプールサイドにあったお酒を律が口に含みそのまま口移しで飲まされキスに溺れてしまいそう。

「んっ…」

こんな少量で酔うはずもないのにクラクラとしてきてしまう。

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