天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
「ククククっ」

「もう! しかも昼じゃん! 朝、ダイビングするって言ってたのに!」

「ははははっ!」

ダメだ全然私の文句なんて律には効かない。

「まずランチ食べよう。もう食事届いてる」

そう言って私を抱き上げリビングまで連れてってくれる律。

「起こしてよ!」

「最高だわ」

ダメだこりゃ。
そしてテーブルに色とりどりの食事が並べられていてお腹がグーっと鳴る。

「ククククっ。食べよう」

椅子にそっと下ろされチュッとキスをされる。

「はい。いただきます」

律も向かい側に座って手を揃えた。

「……いただきます」

とりあえず目に止まったチキンを手に取りかぶりつく。

「うんまっ! 律! これ美味しい!」

「ははは。よかったな」

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