天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい

食事も満足に取り、とりあえずプールのわきから海に繋がるハシゴで海に入る。

プカーっと大の字に浮かんで目を閉じる。

「最高ー」

律はひょいっと飛び込んで入水した。

そしてスイーっと私のところまで顔をあげたまま平泳ぎで近寄ってきて隣に浮かぶ。

「最高だな」

手を繋いで海のベッドにゆったりと身を任せる。

「ハロウィンの時の写真覚えてる？」

「ん？」

「私と一緒に映ってたジャ◯ミンとジャックス◯ロウの二人いたでしょ？」

「ああ。はいはい」

「あの二人、幼馴染なの」

「ほう」

「この旅行から帰ったら結婚式あるんだ」

「結婚すんのか」

「そう！　しかもね、維織がサプライズで！　はははっ！」

「新郎の方は知らないって事？」

「そっ！　新郎ね奏翔っていうんだけど、奏翔はそもそも私達が二人が付き合ってる事を知ってるのも知らないの」

「隠れて付き合ってたのか？」