天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
「ふふふ。バレバレなんだけどね? 維織が恥ずかしくて皆んなに言わないでって奏翔に言っててさ」
「ははは。なるほどな」
「そう。でも維織、覚悟ができてちゃんとみんなに報告してくれて、それでこの際だからサプライズで結婚式しちゃおうってなったの!」
「すごいな」
「でも、維織から聞く前に実はもうみんな知ってたんだけどね! ふふふっ」
「幼馴染ねぇ。俺は全く真弓にそういう感情はなかったな」
「維織と奏翔を見てたから幼馴染ってそういうものなのかなって思ってたから…。だから前、真弓さんといる所見て…」
すると繋いでいた手を引き寄せられ抱っこされる。
「俺はないよ。心配しなくていい」
「律…」
「確かにな、あいつが日本に公演できた時に告白されたんだ。でもその頃には俺には翠がいたし。それに、例え翠の存在がなかったとしてもどちらにせよ俺は断ってたよ」