天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
パスタを食べていると奏翔に話しかけられる。

「そんなドレス着てどこか行ってきたのか?」

私はギロっと睨む。

「はは。こっわ。般若みてぇ」

「ねぇ。私ってどう見える?」

「ん? 今は般若だな」

「違くて!」

「ククク。なんか言われたか?」

「いや…別に」

「ふーん。まぁ誰が見ても別嬪だろうな、お前らは。しょっちゅうナンパされて」

ナンパねぇ。

お前らとは、私を含め私の同い年の妹たちだ。

大河の妹の美空(みく)。
絃の妹の維織(いおり)。
そして奏翔の妹の音羽(おとは)。

私たちは兄たち同様、容姿に恵まれた両親からしっかりと遺伝子が受け継がれ私はともかく、みんな容姿端麗だ。

「今日、バイ菌扱いされた」

「は? お前が?」




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