天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
ガーデンパーティーに移っても幸せそうな二人を見て、私もムクムクと結婚願望が膨らんで来てしまう。

こんな風に私も結婚式を挙げてみんなに祝福されたい。

なにより律とこの先の未来を約束したい。

何もついていない左手の薬指をそっとなぞった。

そしてブーケトスになって、男女問わずみんなで参加する。

これは二人からの幸せのお裾分けなんだとか。

ははは!
みんなの勢い凄いな。
さすがだわ。

私は遠慮がちに一番後ろで待機する事にした。

たぶんあの勢いだとママがキャッチしそう。
次に奏翔の妹の音羽だな。
いや奏翔のパパの涼太君の弟の仁くんもなかなか凄いぞ。

なんて割と冷静に分析しているといよいよ維織がポーンとブーケを投げた。

そのブーケは、ママを越え、音羽も越え、仁くんも越えて何故か一番後ろにいた私の手の中にスポッと落ちてきた。

え?
私!?

とりあえずイェーイ! なんて言ってみせる。
皆んなから拍手をもらって笑顔を見せた。
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