天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
でもそれは律も同じだったようで、二人しばらく見つめ合ったまま動けなくなってしまう。
「ははは! ほら並んで!」
そう言ってグイグイ押されて律の前まで行く。
なんか律がカッコ良すぎて顔を見れない。
すると律が先に口を開いた。
「翠。綺麗だ」
私もそっと顔を上げる。
「律も。素敵」
その時バシャバシャと音がしてシャッターを切られた。
そこからはもうシャッターの嵐で、いろんなポーズをとらされ写真を撮られまくった。
場所を移動してビーチまで行くとまた別なドレスを着て写真を撮る。
だんだんと私も楽しくなってきて夕陽が落ちる頃には何着目かわからないくらいだった。
律は終始安定してカッコいいし、ずっと綺麗だとか、愛してるとかたくさん声をかけてくれて幸せでしかなかった。