天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい


「んっ…はぁっ…」

「クッ…熱い。これは比じゃないな」

律の全部を直接中で感じ涙が出てきてしまう。
律は私の涙を舐めとった。

「律とずっとこうしたかった…」

「ああ。俺だってそうだよ。愛してる」

そしてグッと奥まで貫くように腰を深く沈めた。

「はぁっ…んっ!」

「クッ…」

ゆっくりと動き出した律動。

「あっ…」

すごい。こんなに違うなんて。
二人の間に何も無いだけでこんなに…

「ヤバいな。全部感じる、お前の全て」

打ち付ける音と、蜜が溢れ出す水音がいつもとどこか僅かに違う。

「音が違う」

「私もっ…思った…あっ!」

「俺には全部、いつも音程として聞こえてる」

絶対音感てやつだ。

「翠からはいつも、良い音がするんだ」

「そんな…やだっ」

「ピアノを奏でるよりも遥かにいい」
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