天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
「はぁっ…」
ゆっくりとゆっくりと。
「ヤバいな…クッ…」
耳元に律の低く少しだけ寝起きでかすれた声が届きゾクっと背中に稲妻が走る。
「あっ…」
後ろから回った手が胸を優しく揉みながら蕾を指で挟んで摘まれる。
「気持ちいい?」
私はコクっと頷き顔だけ振り向くと、覗き込むように私を見ていた律から優しいキスが降ってきた。
部屋にキスの音と、どちらのかわからない繋ぎ目から奏でる水音がこだまする。
しっとりとした肌と肌を重ねてお互いの体温を全身で感じる。
繋がった場所はどこよりも熱くて蕩けている。
「愛してる」
「私も、愛してる」
そしてまた楽園にいざなわれたまま抜け出す事も出来ずに、出発の時間まで飽きもせず愛を注がれた。