天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
もう開いた口が塞がらない。

「素敵っ…」

玄関の中は物凄く広くて、床は明るいアイボリー系のタイルが敷かれてやっぱりリゾート風なインテリアデザインになっていた。

建具から何から何までシンプルだけど洗練されたその作りに感動が隠せない。

「気に入ったか？」

「もうドンピシャ」

そしてリビングに入ればあまりの広さに度肝を抜かれる。

そして窓際には律のグランドピアノが堂々と鎮座していた。

「ここの窓から庭に出れるから」

丈慈がバカでかいガラスの窓を開ける。
窓枠は細い黒のフレームでスマートで窓を開ければ壁に収納出来る造りになっていた。

そしてキッチンに行けば、律と買いに行った冷蔵庫などが計算されたように設置されていた。

もちろんダイニングテーブルもソファも丸ごと。

「せっかく翠と選んだやつだったからそのまま使おうと思って」

律はそう言ってニッと笑う。
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