天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
「クッ…喰われてるみたいだ」
「んっ…はぁっ…もっと…」
私も私だ本当に。
すっかりこんなに欲しがって。
律は私に言われた通り、深く激しく打ちつけてきて、何度も沈んで行く夕陽を見ながら天を仰いだ。
「翠…愛してる。本当に」
「私の方こそ。愛してる心から」
濡れた身体を寄せ合いこの瞬間を心に刻む。
けして忘れないように。
そうして結局お互い求め合い、体力が尽きるまでひとつに溶け合った。