天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
「ありがとうございます。身に余るお言葉です。俺、翠さんといずれは結婚したいと思ってます。必ず幸せにします」

すると純平さんはフッと笑う。

「ああ。あの時二人の様子を見ていずれはそうなるのかなと思ってたよ。翠は俺の大事な娘だ。目に入れても痛くない」

だろうな。

「まぁ、俺には妻がいるし、相手が律くんなら譲るしかないよな」

そう言って笑った。

「必ず、必ず生涯愛し抜くと約束します」

「ははは。俺がプロポーズされてるみたいだな」

確かに。

「そうですよね。ははは。でも本当なんで」

「ああ。頼んだよ律くん」

「それでなんですが、ちょっとご相談に乗っていただけないかと」

「ん? なんだ?」

そして俺は一軒家が欲しいという話をする。
ピアノもそうだし将来の事も考えて。

「おお。いいじゃないか! そういう事なら任せてくれ」

「いいんですか!?」

「もちろんだ。面白いからサプライズで家を建ててしまおう」

は?
サプライズ?
< 284 / 311 >

この作品をシェア

pagetop