天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい


「俺がみんなまとめて幸せにする」

「ふふふ。カッコいい。みんなで幸せになろうね!」

「ああ。絶対幸せにしてみせる」

俺は宣言するように言った。

「もう一回キスして」

かわいいな本当に。

俺は愛おしい翠にキスをする。
何度も何度も。

「ところで何で携帯繋がらないんだ?」

「あ! そうだった! あのね…」

そう言って翠は昨日のギックリ腰の一部始終を話し出した。

聞いてるだけで、痛みに耐えながら春香ちゃんの車に乗れなくて笑う翠が容易に想像出来た。

春香ちゃんが翠に呼ばれて、救急車を呼んだから大河から連絡きたのか。


「たくよ。ほら、それじゃ春香ちゃんとこに取りに行くぞ」

「うん。あとね、その…まだ初期だし、双子だしで…」

「ああ。わかってる。安定期に入るまではしっかり安静にしよう。報告はそれからだ」
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