天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
ったく、俺もなんでこんな事…

あの女が例えあの男に遊ばれていたとしたって関係無いじゃないか。

ぶつかったあの日、涙の跡があったのはそんな不毛な関係に胸を痛めていたから?

クソ。
モヤっとする。

しかも近くで見た神楽丈慈という男は、背格好は俺と同じくらいで、やはり容姿もとても整っていて同じ男からしてもカッコよかった。

だがしかし、している事は全くもって共感出来るものではない。

一人の女性を生涯守り、愛し抜く事が出来ないのなら最初から結婚なんてしなければいいのに。

この俺がそうしているように。

あの翠という女もそうだ。
あんな不誠実な男のために、身や心を削り時間を無駄にする事なんてしなければいいのに。

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