天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
「洗濯とか自分でするの?」

「まぁ、ハウスキーパーにも頼むけど自分でもするよ」

「へぇ」

家電も揃えないで日本に来るくらいだから生活能力のない人だと思ったが違った。

次に冷蔵庫を見る。

「これがいいかな」

そう言って律が中を開けて見てるのは、業務用かってくらい大きい観音開きの冷蔵庫。

「そんなに何入れるの?」

「水」

思わず笑ってしまう。

「んじゃあれで十分でしょ」

そう言って学生の一人暮らしで使うような正方形くらいの白の小さい冷蔵庫を指差した。

「おい。ダメだろあれは」

なんて言って律も笑った。
歯が真っ白で綺麗。

結局その後、バカでかいテレビや電子レンジ、炊飯器やロボット掃除機など生活に必要な家電を次々に選んでいく律。


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