天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
「次は?」

「寝具系かな。タオルしかない」

「枕も?」

「ない」

何やってんの?
アウトドアでもしてるんか?

「寒くなかったの?」

今は秋から冬へとそろそろ変わるそんな季節。

「ダウン着てた」

「ご飯は?」

「床か、服入れてたダンボールで買ってきたやつ食ってた」

「ワイルド過ぎない?」

「ははは。キャンプだと思えば余裕」

私のイメージしていたピアニストとはだいぶギャップがあるわ。
面白すぎる。

「それじゃ、テーブルとかソファもいるね」

「ん」

「律は一人で日本に?」

「いや、幼馴染でマネージャーしてる奴と。あいつはちゃっかり自分だけ家具家電ついてる部屋選んでた」

「ははは。なるほどね」

「まぁ、俺は防音の部屋がないとダメだったから。それ以外の条件は出してなかったしな」




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