天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
「枕買わなきゃね」

「俺どんなでも寝れる」

ポケットに手を入れて歩きながら私を見下ろす律。

「タオル丸めて枕にするくらいだしね」

「ははは。そう」

「一個?」

「二個」

二個…。
誰かの分?
一瞬モヤっとする。

「キングサイズのベッドに枕一個ってなんかバランス悪い気がしないか?」

「そ、そう?」

まあ言われてみればそうか。
そしてベッドはキングサイズなのね。

何故か私も一緒になって寝心地を確認させられて律はやっぱり二個買う事にしたらしい。

私、誰かの分選ばされてんの? これ。
なんかよくわからないけど複雑だ。

それからクッションもヘッドボードのところに並べるようで、大きめのを二つと一回り小さい
のを二つ選んでいた。

カバーや布団も選ぶ。

「おし。こんなもんか」
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