天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい

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季節も梅雨の時期から夏へと変わろうとしている。

今日は世界で活躍する天才ピアニストでこの度、日本公演をする事になったらしく、チケットを購入した人が急に行けなくなったという事で、周りにまわって私の所まで話が来た。

秘書課の後輩に拝まれるように頼まれる。

「どうかお願いします！」

「私、ピアノの演奏とか聞きに行った事ないんですけど…」

「それでもいいので！　滅多にチケット取れないんですよ？」

いや、そんな事言われても…

「音楽は好きですけど…」

「それじゃ、決まりですね！　よかった！　ありがとうございます！」

そう言ってチケットを握らされる。

「ど、どうも」

まぁ特に用事があったわけでもなかったので仕方なく受け取った。

ドレス何かあったかな？
なんて、演奏よりもそっちが気になる私。