天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
「ちょっと待ってて」
そう言って別な部屋へ入って行った。
やっぱり律も男なんですね。
さぞオモテになるでしょうし。
その間にぐるっと室内を見渡す。
ひっろ。
これならあのバカでかいソファも、冷蔵庫もテレビも余裕で置けるよね。
そして間も無く絆創膏を持って律が戻ってきた。
そして両足に丁寧に絆創膏を貼ってくれた。
「ありがとう」
「配慮が足りたかったな。悪かった。もしかして我慢してたか?」
「ううん。今の今まで忘れてたよ!」
「そうか。帰ったらもう一度ちゃんと消毒しろよ」
そう言ってフッと笑った。
カッコよ。
「わかった」
私は悟られないように普通に返事をした。
そしてその後マンションまで送ってもらう。