天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
キャップを深く被ったままイヤホンを付けて走り込む。

この時間は割と人もまばら?
そうでもないか。
いるな。

チラッと鏡越しに様子を伺う。

マシーンは割と人気なのか?

するとちょうど俺の隣に人がきて同じようにランニングを始めた。

気にせず走り込む。

そろそろか。

ラストスパートをかけてランニングマシーンから下りた。

少し上半身もしてくか。

久しぶりのジムにすっかり楽しくなって没頭する。

最後にストレッチをしていると先程ランニングをしていた男性もストレッチのコーナーにやってきた。

その人もキャップを被っていて顔はよく見えないが、背格好は俺と似てる。

視線を感じチラッと見ると目が合った。

は?

なんで神楽丈慈?

最悪だ。
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