天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
私は窓の外を見てあとはダンマリモードに入った。

そしてマンションについてソファに横たわった。

律の冷蔵庫が届くまでまだかかるし、あのだだっ広いだけのガランとした部屋でダンボールで買ってきたご飯を食べる姿を想像したら居ても立っても居られず、朝からそのままでも食べられそうな物を作ってしまった。

今さらながら、出しゃばりすぎた感が否めない。

すると携帯が鳴る。

律だ。

"ありがとう。すげぇ助かったわ"

ははは。

"なら良かった"

週明け仕事に行けば丈慈がニヤニヤしている。

なんなのもう!

「翠ー。スポーツカーってカッコいいよな」

は?

「昨日ジム行ったら、アストンマー◯ン止まってた」

んげ!
それ律じゃないの!?

ジム行きたいって言ってたし。
あそこ近いし。

プールもあるじゃん。

絶対律だー。

「ふぅーん」

とりあえず動揺しないように極めて普通にする。

< 88 / 311 >

この作品をシェア

pagetop