~なぜなら私は、悪女ですから~国外追放された悪役令嬢は、過去に戻って罪滅ぼしをするつもりが、第3王子に溺愛されています

「マリーティム公爵令嬢は、皇太子の誕生日パーティーの前日にフェードルス伯爵令嬢を殺すと言っていた。本当かね?」

「私はそんなこと言っておりません! そうでしょ? あなたたち!」

 三人は目配せをして、同時にうなづいた。

「そうです! 間違いありません! ロザリンド様がその毒草をマーガレット様の飲み物に入れていたのを私たち見ましたわ! そして前日、マーガレット様を殺すとおっしゃっていました。私たち三人ともそれを見て、そして聞いております!」

「な……!」

 彼女たちは私に目を合わせることなく大臣たちに向かってペラペラとあることないこと喋る。私は負けじと言い返した。

「彼女たちが口裏を合わせて嘘を言っているわ! それに毒草だって彼女たちの誰かがすり替えてもおかしくないじゃない!」

 不死鳥の間がシーンと静まり返る。
 すると後ろから、オデュロー国第二王子カデオ様と一人の騎士が颯爽と現れた。

「君が嘘を言っているか調べてあげよう、ロザリンド令嬢」
 
 カデオ様がそう言うと、騎士の肩を掴む。

「彼はね、嘘を見抜く能力を持っているんだ。それで彼女が嘘をついているか調べれば話は早いだろう?」

 オデュロー国の聖人君主と謳われるカデオ様ならきっと私を助けてくださる!
 私は、ほっと安堵してその騎士に手招きをした。

「早くしてよ! 私がやってないって早く皆の前で証明して! さぁ、早く」

 騎士は私の額に手を翳して、緑色の光を放った。
 あぁ、これで全て一件落着だわ。
 誕生日パーティーの時といい、とんでもないことを言っていたあの子たちは後で痛い目に合わせてあげるんだから……。

 カデオ様が少し不安そうな顔で騎士に尋ねる。

 騎士は、ゆっくりと首を縦に振った。
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