悪名高きロザリンドが英雄になったわけ
第2章 呪われたネックレス
第20話 君に恋している
「君は僕のこと、怖くないの? みんな僕のこと怖いと言って遊んでくれないんだ」
「怖くないわ。だってあなたは優しい人だって知っているもの! 私はこれからもずっとあなたの友達。笑って! 笑顔笑顔!!」
僕はあの時誓ったんだ。
絶対に、君の笑顔を守るって。
【第2章 呪われたネックレス】
ーロザリンド。君に恋しているー
君にコイしている。
わかった。コイってあの魚の鯉のことよね?
コイ、鯉、濃い。
いや、なにをどう考えてもやはりラブの恋だ。
まさかダース王子もカデオのように私に圧力をかけようとしているとか?
いや、彼に限ってそんなことありえない。
と言うことは、彼は真面目に私に恋をしているのか。
私はあの言葉の後、頭が真っ白になり気づいたら一目散にその場から逃げていた。
いきなりあんなことを言うのだから当然だろう。
おかげで昨晩は一睡もできなかった。
私は机に突っ伏し、頭を抱えてうめいた。
「ロザリンド。恋なんてしている場合じゃないの! 自分の使命を忘れた!? なんでこんなことになるのよ!」
ダース王子には悪いけれど、気持ちは受け取れない。
私は誰かに好かれたり、誰かを好きになったりする資格はないのだ。
トントン。
誰かが扉をノックした。
ようやく届いたようだ。