国外追放から帰ってきた伯爵令嬢は、スタンピードをやっつけて宮廷魔術師になりましたが、平凡な生活を目指していたので、32才年下の国王陛下に婚約を迫られて困っています!!~改訂版~
婚活パーティー
私は宮廷魔術師として、陛下の護衛の仕事をこなしつつも、王都に住む令嬢たちに手紙を書いていた。出会いが無ければ、作ればいいのだ。そう思って、城で開催される社交パーティーへ来てもらえるように、招待状も同封した。あとは、陛下と令嬢たちが出会えばいいだけの話である。
「陛下、明日は令嬢たちが集まる婚活パーティーですからね!! お仕事が忙しくても、社交パーティーには、必ず出席してください!!」
「コンカツパーティー?!」
「あっ、間違えました。婚約パーティーです」
「そうか、分かった」
執務を終えた陛下にそう言うと、陛下は驚いたような顔をしていたが、何も言わずに私室へ戻って行った。
*****
パーティー当日になって、私はドレスに着替えさせられていた。パーティーに紛れての護衛かと思いきや「あなたの衣装です」と、アンドレは言い切った。
「ご自分の立場をお忘れですか?」
パーティーの準備に気合いを入れすぎて、婚約破棄の誓約書を貰うことを、すっかり忘れていた・・・・・・もしかして、もしかしなくても、今の自分の立場は『陛下の婚約者』である。陛下の婚約者───しかも、『暴虐の魔女』に手紙を貰ったら、パーティーへ行かない訳にはいかないだろう。私は自分が置かれている立場に、頭を抱えたくなった。
「アンドレ様、パーティーを中止には・・・・・・」
「出来ないでしょうね。令嬢たちは今頃、出掛ける準備をしている頃でしょう」
「何てこと・・・・・・」
「シャルロット様におかれましては、いつも通りの振る舞いで、問題ないかと思われます」
(そういう問題じゃ、ないんだけど・・・・・・)
「ありがとうございます、アンドレ様」
陛下に出会いがあれば、私より『いい人』を見つけられるはず・・・・・・そう思っていた。陛下の婚約者が『暴虐の魔女』であっていい訳がない。私は陛下と、令嬢たちとの顔合わせを諦めきれないまま、社交パーティーの会場へ向かった。
「陛下、明日は令嬢たちが集まる婚活パーティーですからね!! お仕事が忙しくても、社交パーティーには、必ず出席してください!!」
「コンカツパーティー?!」
「あっ、間違えました。婚約パーティーです」
「そうか、分かった」
執務を終えた陛下にそう言うと、陛下は驚いたような顔をしていたが、何も言わずに私室へ戻って行った。
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パーティー当日になって、私はドレスに着替えさせられていた。パーティーに紛れての護衛かと思いきや「あなたの衣装です」と、アンドレは言い切った。
「ご自分の立場をお忘れですか?」
パーティーの準備に気合いを入れすぎて、婚約破棄の誓約書を貰うことを、すっかり忘れていた・・・・・・もしかして、もしかしなくても、今の自分の立場は『陛下の婚約者』である。陛下の婚約者───しかも、『暴虐の魔女』に手紙を貰ったら、パーティーへ行かない訳にはいかないだろう。私は自分が置かれている立場に、頭を抱えたくなった。
「アンドレ様、パーティーを中止には・・・・・・」
「出来ないでしょうね。令嬢たちは今頃、出掛ける準備をしている頃でしょう」
「何てこと・・・・・・」
「シャルロット様におかれましては、いつも通りの振る舞いで、問題ないかと思われます」
(そういう問題じゃ、ないんだけど・・・・・・)
「ありがとうございます、アンドレ様」
陛下に出会いがあれば、私より『いい人』を見つけられるはず・・・・・・そう思っていた。陛下の婚約者が『暴虐の魔女』であっていい訳がない。私は陛下と、令嬢たちとの顔合わせを諦めきれないまま、社交パーティーの会場へ向かった。