国外追放から帰ってきた伯爵令嬢は、スタンピードをやっつけて宮廷魔術師になりましたが、平凡な生活を目指していたので、32才年下の国王陛下に婚約を迫られて困っています!!~改訂版~
呪いから解放された陛下
陛下を応接室へ案内した学園のスタッフは、私達に紅茶を出すと下がっていった。ここへ案内された陛下は、いつ姿が戻ったのか、大人の姿をしていた。
解毒薬を飲んだ後、身体が大きくなったり小さくなったり不安定だったが、時間が経つにつれ、今の姿に落ち着いたという陛下は、学園の結界が崩壊したと聞き、私も向かったのではないかと心配になり、兵を1万ほど引き連れて私の事を探しに来たという。
「キルア国とフォース国の仲裁が出来ればと思って来てみたが、余計なことだったかな?」
「スタンピードの時は、何週間もかかったのにお早い到着で・・・・・・陛下は、どうしてこのような危険な場所へ?」
「あの時は、すまない。仕方がなかったんだ。宰相を説得するのに時間がかかってしまった。実はシャルロット、君に伝えたいことがあって来たんだ」
「はい」
私は何か嫌な予感を感じながらも、陛下の真剣な表情に思わず頷いていた。
「さっきも言ったけど、ここへ来たのは君が心配だったからなんだ・・・・・・私と結婚してほしい。この想いは、呪いや解毒薬のせいではない。真実の愛に気がついたんだ。だからこそ、元の姿に戻ったんだと思う。私と共に、国へ戻って結婚してほしい」
「嫌だと言ったら?」
「嫌なのか?」
「陛下のことは、好きでも嫌いでもありません。前にも言いましたが、私の望みは『平穏』です。『暴虐の魔女』と言われない国で、平和に過ごしていきたい。ただ、それだけなんです」
「言っとくが、周辺諸国には知れ渡っているぞ? 国にいてもいなくても、『暴虐の魔女』として生きていくことになる」
「そんなのは、分かってます」
「シャルロット、愛してるんだ・・・・・・私の何がいけない? 何が足りない? お願いだ。直すから、私に教えてくれ」
陛下は立ちあがると、私の隣のソファーへ腰掛け、手を掴むと青い瞳で私を見つめていた。
「陛下は何も悪くありません」
「それじゃ、結婚してくれる?」
「それと、これとは話が・・・・・・」
陛下は手を掴みながら、私を至近距離で見つめていた。このままキスしてもおかしくない距離まで詰め寄られて、身体を反らそうとしたが、ソファーの肘掛けに阻まれ、手を掴まれて引き寄せられた。
羞恥で身体が熱を帯びてくると、陛下は嬉しそうな顔をして、笑いながら手を放してくれた。
「良かった。可能性はゼロって訳じゃ無さそうだね」
「ゼロです!! マイナス以下です!!」
「私だけのお姫様・・・・・・どうしたら私のパートナーになってくれるのか、教えてください」
そう言った陛下は、私の手を掴むと指先にキスを落としていた。
解毒薬を飲んだ後、身体が大きくなったり小さくなったり不安定だったが、時間が経つにつれ、今の姿に落ち着いたという陛下は、学園の結界が崩壊したと聞き、私も向かったのではないかと心配になり、兵を1万ほど引き連れて私の事を探しに来たという。
「キルア国とフォース国の仲裁が出来ればと思って来てみたが、余計なことだったかな?」
「スタンピードの時は、何週間もかかったのにお早い到着で・・・・・・陛下は、どうしてこのような危険な場所へ?」
「あの時は、すまない。仕方がなかったんだ。宰相を説得するのに時間がかかってしまった。実はシャルロット、君に伝えたいことがあって来たんだ」
「はい」
私は何か嫌な予感を感じながらも、陛下の真剣な表情に思わず頷いていた。
「さっきも言ったけど、ここへ来たのは君が心配だったからなんだ・・・・・・私と結婚してほしい。この想いは、呪いや解毒薬のせいではない。真実の愛に気がついたんだ。だからこそ、元の姿に戻ったんだと思う。私と共に、国へ戻って結婚してほしい」
「嫌だと言ったら?」
「嫌なのか?」
「陛下のことは、好きでも嫌いでもありません。前にも言いましたが、私の望みは『平穏』です。『暴虐の魔女』と言われない国で、平和に過ごしていきたい。ただ、それだけなんです」
「言っとくが、周辺諸国には知れ渡っているぞ? 国にいてもいなくても、『暴虐の魔女』として生きていくことになる」
「そんなのは、分かってます」
「シャルロット、愛してるんだ・・・・・・私の何がいけない? 何が足りない? お願いだ。直すから、私に教えてくれ」
陛下は立ちあがると、私の隣のソファーへ腰掛け、手を掴むと青い瞳で私を見つめていた。
「陛下は何も悪くありません」
「それじゃ、結婚してくれる?」
「それと、これとは話が・・・・・・」
陛下は手を掴みながら、私を至近距離で見つめていた。このままキスしてもおかしくない距離まで詰め寄られて、身体を反らそうとしたが、ソファーの肘掛けに阻まれ、手を掴まれて引き寄せられた。
羞恥で身体が熱を帯びてくると、陛下は嬉しそうな顔をして、笑いながら手を放してくれた。
「良かった。可能性はゼロって訳じゃ無さそうだね」
「ゼロです!! マイナス以下です!!」
「私だけのお姫様・・・・・・どうしたら私のパートナーになってくれるのか、教えてください」
そう言った陛下は、私の手を掴むと指先にキスを落としていた。