国外追放から帰ってきた伯爵令嬢は、スタンピードをやっつけて宮廷魔術師になりましたが、平凡な生活を目指していたので、32才年下の国王陛下に婚約を迫られて困っています!!~改稿版~
眠りから目覚めた妖精王
「まさか・・・・・・」
「光よ、導き給え!! 結界オブザード!!」
結界石は光を放つと歪みがあった場所へ飛んで行った。幾千、幾万の精霊たちが集まり、結界と同じ光を放っていた。やがて光が収まると、学園には再び結界が張られていた。妖精王の手にあった結界石は光を放ちながら何処かへ消えていった。
「ガルシア殿、久しぶりだな。あの子は・・・・・・ミーアは?」
「それが・・・・・・」
先生は妖精王と知り合いだったのか、結界を維持しようとして学園長の呪いが進んでしまった話をしていた。
「では、わしが助けてやらんとな。あと100年は眠りにつくことになるが・・・・・・あの子は、分かってくれるはずだ」
ガルシア先生は「そうですね」と、ひと言だけ言うと、妖精王を学園長室へと案内していた。その場に残った陛下を見れば、陛下は青ざめていた。
「陛下?」
「シャルロット、もしかしてここは結界の中か?」
「そうですけど、何か・・・・・・あ!!」
結界の中では時間の進みが遅くなる。たった1週間が、外の世界では1年ちょっと時間が過ぎている計算になる。
「シャルロット、まずい!!」
「執務がありますものね」
「それだけじゃないんだ」
「え?」
「帰るぞ」
「ええ?」
私は先生達への挨拶もそこそこに、再びセスノット国へ帰ることになったのだった。
*****
馬車で1週間かけて城へ戻ると、私が城を出てから1ヶ月の時が過ぎていた。他の宮廷魔術師達に心配されたものの、陛下の護衛任務へ戻っていた。城へ戻って3日目の夕方、陛下は人払いを済ませると、私へ向かいのソファーへ座るように促した。
「シャルロット、すまない」
「え? 何を謝ってるんですか?」
「婚約の件なんだが・・・・・・」
「婚約はしませんよ? 破棄します」
「婚約発表して3ヶ月経つと自動的に結婚したことになってしまうんだ。これは、国民の法律ではなく、王族のみに適用される国の法律なんだ。まだ間に合うと思って、言わなかった・・・・・・本当にすまない」
(え? ちょっと待って。それじゃ何? 私達、結婚した事になってるわけ?)
私は帰って来た時に、宮廷魔術師のみんなから花束を貰ったことを思い出していた。まさか、あれがお祝いの花束だったとは・・・・・・。
「陛下」
「平穏が、いいんだったよな」
私は陛下の青い瞳を見つめていた。ずっと幼いと思っていた陛下は、大人そのものだった。そして何より───自分自身の心にずっと引っかかっていた。それは、結界が壊されて学園に着いた時、学園の窓から外を眺めていたら陛下の姿が見えて・・・・・・ホッとしてしまった事だった。
(私は、いつから陛下の側に居ることに安心感を覚えてしまったのだろうか・・・・・・)
私は溜め息をつくと、窓の外にある曇り空を見つめていた。
「光よ、導き給え!! 結界オブザード!!」
結界石は光を放つと歪みがあった場所へ飛んで行った。幾千、幾万の精霊たちが集まり、結界と同じ光を放っていた。やがて光が収まると、学園には再び結界が張られていた。妖精王の手にあった結界石は光を放ちながら何処かへ消えていった。
「ガルシア殿、久しぶりだな。あの子は・・・・・・ミーアは?」
「それが・・・・・・」
先生は妖精王と知り合いだったのか、結界を維持しようとして学園長の呪いが進んでしまった話をしていた。
「では、わしが助けてやらんとな。あと100年は眠りにつくことになるが・・・・・・あの子は、分かってくれるはずだ」
ガルシア先生は「そうですね」と、ひと言だけ言うと、妖精王を学園長室へと案内していた。その場に残った陛下を見れば、陛下は青ざめていた。
「陛下?」
「シャルロット、もしかしてここは結界の中か?」
「そうですけど、何か・・・・・・あ!!」
結界の中では時間の進みが遅くなる。たった1週間が、外の世界では1年ちょっと時間が過ぎている計算になる。
「シャルロット、まずい!!」
「執務がありますものね」
「それだけじゃないんだ」
「え?」
「帰るぞ」
「ええ?」
私は先生達への挨拶もそこそこに、再びセスノット国へ帰ることになったのだった。
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馬車で1週間かけて城へ戻ると、私が城を出てから1ヶ月の時が過ぎていた。他の宮廷魔術師達に心配されたものの、陛下の護衛任務へ戻っていた。城へ戻って3日目の夕方、陛下は人払いを済ませると、私へ向かいのソファーへ座るように促した。
「シャルロット、すまない」
「え? 何を謝ってるんですか?」
「婚約の件なんだが・・・・・・」
「婚約はしませんよ? 破棄します」
「婚約発表して3ヶ月経つと自動的に結婚したことになってしまうんだ。これは、国民の法律ではなく、王族のみに適用される国の法律なんだ。まだ間に合うと思って、言わなかった・・・・・・本当にすまない」
(え? ちょっと待って。それじゃ何? 私達、結婚した事になってるわけ?)
私は帰って来た時に、宮廷魔術師のみんなから花束を貰ったことを思い出していた。まさか、あれがお祝いの花束だったとは・・・・・・。
「陛下」
「平穏が、いいんだったよな」
私は陛下の青い瞳を見つめていた。ずっと幼いと思っていた陛下は、大人そのものだった。そして何より───自分自身の心にずっと引っかかっていた。それは、結界が壊されて学園に着いた時、学園の窓から外を眺めていたら陛下の姿が見えて・・・・・・ホッとしてしまった事だった。
(私は、いつから陛下の側に居ることに安心感を覚えてしまったのだろうか・・・・・・)
私は溜め息をつくと、窓の外にある曇り空を見つめていた。