国外追放から帰ってきた伯爵令嬢は、スタンピードをやっつけて宮廷魔術師になりましたが、平凡な生活を目指していたので、32才年下の国王陛下に婚約を迫られて困っています!!~改訂版~
第2話
「覚えていらっしゃらないのも、無理はありません。お会いしたのは一度だけでしたし、お互い名乗る前に、妖精王様は眠りにつきましたから」
「妖精王と呼び捨てでよい」
「しかし・・・・・・」
「学園の出身の者にまで、『様づけ』されると、むず痒くていかん。ミーアと二人で作った学園なのだ。学園の生徒達は、みな私達の子供のように思っておる」
「分かりました。妖精王・・・・・・学園長は、誰に呪いを掛けられたのですか?」
「分からん・・・・・・ミーアは、この学園に来た時には、既に呪いが進行していた。20才だったのに、15才くらいにしか見えなかったのだ。自信の呪いを解くために、魔術学園へ入学したと聞いている」
「その頃に、出会われたのですか?」
「違う。私の姉・・・・・・ゼロフィーヌが、彼女と契約したんだ。私は眠りから覚めたときに、ゼロフィーヌが妖精の立場を手放したことを初めて知った」
「すみません。妖精については文献でしか読んだことがありませんでして・・・・・・ガルシア先生に聞いても、何も教えてくれないんです」
「それは、そうだろう。妖精についての話は、基本的に秘匿されている」
「妖精は、妖精から人間になる事が出来るんだが、人間と契約しなければはならないんだ」
「契約?」
「今の時代では禁止されている、精霊契約だ」
「もしかして、学園長は・・・・・・」
「人間の姿をした妖精だ」
「妖精?!」
「けれど、契約をする際に失敗したらしくてな。半分妖精で、半分人間だ」
「半分妖精・・・・・・って、半妖?!」
「??」
「だから、次元の歪みを塞ぐ時に、精霊達に指示が出せていたのですね」
「思い出した。お前は、あの時の・・・・・・」
「はい。以前お会いしたときは、確か17だったと思いますので、会うのは100年ぶり・・・・・・私にとっては、53年ぶりですね」
「その紋章・・・・・・セスノットの王族だったのか」
よく見れば、彼女のローブには、セスノット国の王族しか身につけられない紋章が刺繍されていた。
「はい、マルクス陛下の后でした。3年前までセスノット国で働いていたのですが、ガルシア先生の弟子にしてもらったのです。もう、おばあちゃんになってしまいましたが」
「年なんて関係ないだろう?」
「そうですね・・・・・・長年の夢だったんです。最後に夢が叶って良かったです」
「そうか」
「でも、セスノット国で陛下と過ごした時間も幸せでしたよ? 子供達は巣立っていきましたが・・・・・・」
「人間族であろう? 結界の外では子供達が、もう同い年くらいなんじゃないか?」
「そうなることも、分かってたんです。でも、夢を諦めきれなかった。それに、魔術学園の先生の中には、私の息子もいるので安心なんです。彼の成長を見守るのも、今の私にとっては生きがいなんですよ」
「そうか・・・・・・」
私は頬を染めて語るガルシア殿の弟子に、就寝の挨拶をすると、精霊樹の近くにある木の根元で眠りについたのだった。
「妖精王と呼び捨てでよい」
「しかし・・・・・・」
「学園の出身の者にまで、『様づけ』されると、むず痒くていかん。ミーアと二人で作った学園なのだ。学園の生徒達は、みな私達の子供のように思っておる」
「分かりました。妖精王・・・・・・学園長は、誰に呪いを掛けられたのですか?」
「分からん・・・・・・ミーアは、この学園に来た時には、既に呪いが進行していた。20才だったのに、15才くらいにしか見えなかったのだ。自信の呪いを解くために、魔術学園へ入学したと聞いている」
「その頃に、出会われたのですか?」
「違う。私の姉・・・・・・ゼロフィーヌが、彼女と契約したんだ。私は眠りから覚めたときに、ゼロフィーヌが妖精の立場を手放したことを初めて知った」
「すみません。妖精については文献でしか読んだことがありませんでして・・・・・・ガルシア先生に聞いても、何も教えてくれないんです」
「それは、そうだろう。妖精についての話は、基本的に秘匿されている」
「妖精は、妖精から人間になる事が出来るんだが、人間と契約しなければはならないんだ」
「契約?」
「今の時代では禁止されている、精霊契約だ」
「もしかして、学園長は・・・・・・」
「人間の姿をした妖精だ」
「妖精?!」
「けれど、契約をする際に失敗したらしくてな。半分妖精で、半分人間だ」
「半分妖精・・・・・・って、半妖?!」
「??」
「だから、次元の歪みを塞ぐ時に、精霊達に指示が出せていたのですね」
「思い出した。お前は、あの時の・・・・・・」
「はい。以前お会いしたときは、確か17だったと思いますので、会うのは100年ぶり・・・・・・私にとっては、53年ぶりですね」
「その紋章・・・・・・セスノットの王族だったのか」
よく見れば、彼女のローブには、セスノット国の王族しか身につけられない紋章が刺繍されていた。
「はい、マルクス陛下の后でした。3年前までセスノット国で働いていたのですが、ガルシア先生の弟子にしてもらったのです。もう、おばあちゃんになってしまいましたが」
「年なんて関係ないだろう?」
「そうですね・・・・・・長年の夢だったんです。最後に夢が叶って良かったです」
「そうか」
「でも、セスノット国で陛下と過ごした時間も幸せでしたよ? 子供達は巣立っていきましたが・・・・・・」
「人間族であろう? 結界の外では子供達が、もう同い年くらいなんじゃないか?」
「そうなることも、分かってたんです。でも、夢を諦めきれなかった。それに、魔術学園の先生の中には、私の息子もいるので安心なんです。彼の成長を見守るのも、今の私にとっては生きがいなんですよ」
「そうか・・・・・・」
私は頬を染めて語るガルシア殿の弟子に、就寝の挨拶をすると、精霊樹の近くにある木の根元で眠りについたのだった。