国外追放から帰ってきた伯爵令嬢は、スタンピードをやっつけて宮廷魔術師になりましたが、平凡な生活を目指していたので、32才年下の国王陛下に婚約を迫られて困っています!!~改稿版~
第6話
「すまない・・・・・・」
「いや、こっちこそ、すまない・・・・・・言い過ぎた。あんたの最愛なんだな、その子は」
気がつくと、私は涙を流していた。後から後から涙が溢れてきて、止めることは出来なかった。
「この子の記憶を少しでも良いから、取り戻したい。人間の方法で構わない。何か知っていたら、教えてくれないか?」
「・・・・・・」
「頼む」
「人間・・・・・・人族は、記憶を失った際に、以前に見たものや、行ったことのある場所へ連れて行って思い出させる『記憶回復法』がある。でも、この方法を使って思い出すのは50%くらいかな。人には、思い出したくないこともあるんだ。そういう場合は、本能的に自己防衛が働いてしまって、いつまでも思い出さない場合もある。まあ、あんた達は違うみたいだが」
「見たことのある景色や、行ったこのある場所か・・・・・・」
「後は、これだな。『わすれな草』コイツを煎じて、魔術師の秘薬で3時間煮込むんだ。薬を飲むと、嗅いだことのある匂いや食べたことのある食べ物を思い出すと言われていて、同時に記憶を思い出すこともあると言われている・・・・・・半妖にはオススメしないが、どうしてもの場合は、これは一度だけ使ってみてもいいかもしれないな。一回分だけ渡すから、使う段階になったら、使用前にもう一度ここへ来てくれ」
テリアテッドは、私に薬は渡せないと言っておきながら、一回分だけ薬を手渡してくれた。
「・・・・・・今、受け取っていいのか?」
「俺の気持ちが変わる前に持ってけ・・・・・・目の前で苦しんでいる奴がいたら、手を差し伸べるのが魔術師だ。人とか妖精とか関係ない。俺はそう思っている。ただ、勘違いはしないでくれ。勝手に服用して、状態が悪化しても、俺には責任が取れないからな」
「・・・・・・恩に着る」
私は抱っこ紐を結びなおすと、テリアテッドに礼を言い、魔術学園へ戻った。途中、二人で行ったことのある湖に立ち寄ったり、街の様子を眺めたりしながら帰ったが、ミーアに記憶を取り戻したような様子は、見受けられなかった。
「いや、こっちこそ、すまない・・・・・・言い過ぎた。あんたの最愛なんだな、その子は」
気がつくと、私は涙を流していた。後から後から涙が溢れてきて、止めることは出来なかった。
「この子の記憶を少しでも良いから、取り戻したい。人間の方法で構わない。何か知っていたら、教えてくれないか?」
「・・・・・・」
「頼む」
「人間・・・・・・人族は、記憶を失った際に、以前に見たものや、行ったことのある場所へ連れて行って思い出させる『記憶回復法』がある。でも、この方法を使って思い出すのは50%くらいかな。人には、思い出したくないこともあるんだ。そういう場合は、本能的に自己防衛が働いてしまって、いつまでも思い出さない場合もある。まあ、あんた達は違うみたいだが」
「見たことのある景色や、行ったこのある場所か・・・・・・」
「後は、これだな。『わすれな草』コイツを煎じて、魔術師の秘薬で3時間煮込むんだ。薬を飲むと、嗅いだことのある匂いや食べたことのある食べ物を思い出すと言われていて、同時に記憶を思い出すこともあると言われている・・・・・・半妖にはオススメしないが、どうしてもの場合は、これは一度だけ使ってみてもいいかもしれないな。一回分だけ渡すから、使う段階になったら、使用前にもう一度ここへ来てくれ」
テリアテッドは、私に薬は渡せないと言っておきながら、一回分だけ薬を手渡してくれた。
「・・・・・・今、受け取っていいのか?」
「俺の気持ちが変わる前に持ってけ・・・・・・目の前で苦しんでいる奴がいたら、手を差し伸べるのが魔術師だ。人とか妖精とか関係ない。俺はそう思っている。ただ、勘違いはしないでくれ。勝手に服用して、状態が悪化しても、俺には責任が取れないからな」
「・・・・・・恩に着る」
私は抱っこ紐を結びなおすと、テリアテッドに礼を言い、魔術学園へ戻った。途中、二人で行ったことのある湖に立ち寄ったり、街の様子を眺めたりしながら帰ったが、ミーアに記憶を取り戻したような様子は、見受けられなかった。