不器用な灯火
わたしの身体を弄び終わると、男たちは楽しそうに笑っていた。
わたしは冷たいコンクリートに寝そべったまま、高い天井を見上げていた。
服は乱れ、長い髪の毛もボサボサ。
涙のせいでメイクもグシャグシャになっていた。
「巨乳ちゃん、また来週も頼むな!」
男たちはそう言うと、廃倉庫から出て行った。
一人残されたわたしは、しばらくの間一人で泣き続けた。
汚い、汚い、汚い、、、、
さっきまでの男たちのタバコの臭いや加齢臭、生臭いニオイが鼻について、忘れたいのに忘れることが出来なかった。
気がつけば、あれから1時間以上も経っており、わたしはお父さんを心配させてはいけないからと、必死に乱れた服と髪を整え、急いで家までの道のりを走った。
「、、、ただいまぁ。」
わたしは小さな声で言い、急いで家に入ると、リビングには顔を出さず、そのままお風呂場へ向かった。
すると、いつもなら先にリビングに顔を出すわたしを変に思ったのか、お父さんがリビングから出てきて「千紗?おかえり、遅かったなぁ。」と声を掛けてきた。
わたしは振り向かないまま立ち止まり「ただいま、、、」と言った。
「何かあったのか?」
わたしを不自然に思ったのか、お父さんはそう言った。
わたしは「先にシャワー浴びてくるね。」と言うと、急ぎ足でお風呂場へ向かった。