不器用な灯火

「それがさぁ、さっき警察署から封書が届いたんだけど、火事の原因は放火だったって話だったのに、遺体が台所から見つかったからって、新星さんの不注意での火事だってことにされちまったんだよ!」
「えっ?!どうゆうことですか?!」
「俺もおかしいと思って、警察署に電話をかけたんだが、全然取り合ってくんなくてよぉ!」

菅野さんからの話に言葉を失った。

最初は放火だって言ってたのに、お父さんの不注意で火事になったって処理された?
何でそうなるの?

わたしもそのあと警察署に電話をかけてみたが、菅野さんの言った通り、全く取り合ってもらえなかった。

裏で何かの力が働いてる。
そう思わざるを得なかった。

ごめんね、お父さん、、、
犯人を見つけられなくて、ごめんね。

溜め息をつきながら事務所に戻ると、わたしの表情を見た久登が「何かあったのか?」と心配して聞いてくれた。

わたしは「ううん、大丈夫。」と答えると、自分のデスクについた。

もう仕事をする気が起きなくなってしまっていた。

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