【完結】皇帝陛下の軍師寵姫
24 策はいかに!?
次の日の夜、陛下の御渡りがあった。
「陛下、陛下!」
「何だエティーナ?」
「聞きましてございますよ!」
「何を?」
「シャルナーク軍が大軍にて攻めてくるようでございますね!」
「あぁ、それか…
そなた、嬉しそうだな…」
「なっ!?
ば、ばかな!
嬉しいはずなどございません!
えぇ、そうですとも!
戦と聞いて燃え上がってなどおりません!!!」
「なにもそこまで言って無いのだが…」
呆れ果てる皇帝陛下をよそに私はワクワクしていた。
「陛下はシャルナーク軍との戦の戦術会議でうんともすんとも言われなかった、とか…
何か、策があるのでございましょう!?」
「ふむ…
あるには、あるが…」
「ぜひ、教えてくださいませ!」
「良かろう…
ただし、決して他言致すなよ?」
「わ、わかっております!」
皇帝陛下も何だかんだで、百戦錬磨の将…
つまり、戦話ともなれば、私同様燃え上がるのだ。
「俺が話し合いの場で何も言わなかったのは、間者を気にしてのことだ。
シャルナーク国は諜報部隊に優れているとも、聞く。
敵を欺くならば、まずは味方から、という訳だな。
作戦はギリギリになって公表するつもりだった。」
「なるほど!
して、どのような策なのです!?」
「ふむ。
おそらく敵軍のシャルナーク軍は、エストの街の方角からこのように、このような進路で入ってくるはずだ。」
「なるほど。
そうでしょうね。」
「となれば、決戦の場所はどこになると予測出来る?」
皇帝陛下の試すような問いに私は数秒考える。
「おそらく…
両軍の速度を計算に入れると…
ここ!
エスト丘陵地が戦いの場になるかと思います!」
「そうだ。
丘陵地、つまり、山谷の入り乱れる地だ。
シャルナーク軍はおそらく3万以上の軍で来るだろう。
対して我がエドババーバ軍は1万と少し。
数では圧倒的にあちらが有利だ。」
「で?で?
どうされるのですか!?」
私は身を乗り出す。
「まぁ、落ち着け。
いいか、エティーナ。
シャルナーク軍は大軍で来ると言う所に驕りがある。
一万の俺の軍など、木っ端微塵にするつもりだろう。
しかしな。
丘陵地では、山谷が入り組んでいる為に三万の軍を一度に動かすのは、不可能なのだ。
つまり、敵軍は一万ずつの小隊に分けて移動するはずだ。
そして、俺はそこを狙い打とうと考えておる。
三万と一万ならば、勝ちは薄いが、一万対一万ならば、いかに!?」
皇帝陛下は言う。
「なるほど…!
お見それしましてございます!
この度の戦の勝利は皇帝陛下にあると確信致します!」
「あぁ…
必ず勝つ。
この国の為にも、世を平定する為にも、そして、そなたの為にも…」
そうして、夜は更けて行くのだった。
「陛下、陛下!」
「何だエティーナ?」
「聞きましてございますよ!」
「何を?」
「シャルナーク軍が大軍にて攻めてくるようでございますね!」
「あぁ、それか…
そなた、嬉しそうだな…」
「なっ!?
ば、ばかな!
嬉しいはずなどございません!
えぇ、そうですとも!
戦と聞いて燃え上がってなどおりません!!!」
「なにもそこまで言って無いのだが…」
呆れ果てる皇帝陛下をよそに私はワクワクしていた。
「陛下はシャルナーク軍との戦の戦術会議でうんともすんとも言われなかった、とか…
何か、策があるのでございましょう!?」
「ふむ…
あるには、あるが…」
「ぜひ、教えてくださいませ!」
「良かろう…
ただし、決して他言致すなよ?」
「わ、わかっております!」
皇帝陛下も何だかんだで、百戦錬磨の将…
つまり、戦話ともなれば、私同様燃え上がるのだ。
「俺が話し合いの場で何も言わなかったのは、間者を気にしてのことだ。
シャルナーク国は諜報部隊に優れているとも、聞く。
敵を欺くならば、まずは味方から、という訳だな。
作戦はギリギリになって公表するつもりだった。」
「なるほど!
して、どのような策なのです!?」
「ふむ。
おそらく敵軍のシャルナーク軍は、エストの街の方角からこのように、このような進路で入ってくるはずだ。」
「なるほど。
そうでしょうね。」
「となれば、決戦の場所はどこになると予測出来る?」
皇帝陛下の試すような問いに私は数秒考える。
「おそらく…
両軍の速度を計算に入れると…
ここ!
エスト丘陵地が戦いの場になるかと思います!」
「そうだ。
丘陵地、つまり、山谷の入り乱れる地だ。
シャルナーク軍はおそらく3万以上の軍で来るだろう。
対して我がエドババーバ軍は1万と少し。
数では圧倒的にあちらが有利だ。」
「で?で?
どうされるのですか!?」
私は身を乗り出す。
「まぁ、落ち着け。
いいか、エティーナ。
シャルナーク軍は大軍で来ると言う所に驕りがある。
一万の俺の軍など、木っ端微塵にするつもりだろう。
しかしな。
丘陵地では、山谷が入り組んでいる為に三万の軍を一度に動かすのは、不可能なのだ。
つまり、敵軍は一万ずつの小隊に分けて移動するはずだ。
そして、俺はそこを狙い打とうと考えておる。
三万と一万ならば、勝ちは薄いが、一万対一万ならば、いかに!?」
皇帝陛下は言う。
「なるほど…!
お見それしましてございます!
この度の戦の勝利は皇帝陛下にあると確信致します!」
「あぁ…
必ず勝つ。
この国の為にも、世を平定する為にも、そして、そなたの為にも…」
そうして、夜は更けて行くのだった。