【完結】皇帝陛下の軍師寵姫
第5章
37 約束の一夜を
その夜、相変わらず皇帝陛下がお越しになっていたが、陛下はぶつぶつ文句を言っていた。
「何を先ほどから文句を言っておられるのですか?」
私は尋ねた。
「そなたは、ずるい!」
「はぁぁぁ?
急に何をおっしゃいますか?」
「だってずるいであろう?
ミーシャとの約束では、勝った方が俺と一晩熱い夜を過ごす、と言っておったではないか!」
「熱い夜、とまでは申しておりません。」
「えぇい!
揚げ足を取るな!
同じ意味であろう!?」
「夜ならばいつも過ごしておるではありませぬか。」
「そう言う意味ではない!
ねんねか、そなたは!?」
「ねんね!?
バカにしているのですか!?」
「そっちだろう!?
俺だって…
俺だって…
男なのだぞ!!!」
「見れば分かりますが…」
子供の様な言い草につい呆れてしまう。
「わかっておらぬ!
ちっとも!
ならば、今すぐ押し倒すぞ!?」
「そ、そ、そう言う事はお互いの同意の元…で…ございまして…」
「そなた、いつ同意するのだ!?
ジジイになってしまうわ!!!」
「はぁ…(ため息)
皇帝陛下?
私は陛下の事どう思っているか、正直よくわかりません。
そばにいたいと思うし、支えたいとも思います。
ですが、それが恋なのか…は…」
「…もう良いわ…
なぁ、エティーナ?」
「はい。」
「せめて、そなたを抱きしめたいのだが…
ダメだろうか…?」
真剣な表情で言う陛下に、私はノーとは言えなかった…
「エティーナ…
そなたは、この世で1番柔らかく温かい…」
「…大袈裟にございましょう?」
「ずっとこうしていられれば…
好きだ…」
陛下の瑠璃色の瞳が揺らめきながら、私の瞳を見つめた。
「私も…
好きか嫌いかならば、好きにございます。」
「笑わせるな。
真剣なのだ、俺は。」
「いえ、私も真剣で…」
そう言いかけた時私は陛下の唇によって口を塞がれた。
「だ、だ、抱きしめるだけだと!?」
私は陛下を突き離す。
「俺はこの世で1番可哀想な男だな…」
「お、お、お話でもしませんか?」
「話ならいつもしているではないか?」
「今日は陛下に告白したい秘密がございます…」
「なに…?」
私たちはベッドに横になり、陛下は私を片手で抱き寄せた。
「私には前世の記憶があるのです。
陛下。
私の軍師としての知識の源は全て前世の記憶でございます。」
「そうか…」
陛下はそう言った。
「驚かれないのですか?」
「何かカラクリがあるとは思っていた。
米などは、この世に無いものだからな。
だが、よく話してくれた。
どんな事情があっても、俺の気持ちは揺るぎない。
それだけ、永遠に忘れないでくれ…
おやすみ、我が愛しき姫…」
そして、陛下は私の額にキスを落としたのだった。
「何を先ほどから文句を言っておられるのですか?」
私は尋ねた。
「そなたは、ずるい!」
「はぁぁぁ?
急に何をおっしゃいますか?」
「だってずるいであろう?
ミーシャとの約束では、勝った方が俺と一晩熱い夜を過ごす、と言っておったではないか!」
「熱い夜、とまでは申しておりません。」
「えぇい!
揚げ足を取るな!
同じ意味であろう!?」
「夜ならばいつも過ごしておるではありませぬか。」
「そう言う意味ではない!
ねんねか、そなたは!?」
「ねんね!?
バカにしているのですか!?」
「そっちだろう!?
俺だって…
俺だって…
男なのだぞ!!!」
「見れば分かりますが…」
子供の様な言い草につい呆れてしまう。
「わかっておらぬ!
ちっとも!
ならば、今すぐ押し倒すぞ!?」
「そ、そ、そう言う事はお互いの同意の元…で…ございまして…」
「そなた、いつ同意するのだ!?
ジジイになってしまうわ!!!」
「はぁ…(ため息)
皇帝陛下?
私は陛下の事どう思っているか、正直よくわかりません。
そばにいたいと思うし、支えたいとも思います。
ですが、それが恋なのか…は…」
「…もう良いわ…
なぁ、エティーナ?」
「はい。」
「せめて、そなたを抱きしめたいのだが…
ダメだろうか…?」
真剣な表情で言う陛下に、私はノーとは言えなかった…
「エティーナ…
そなたは、この世で1番柔らかく温かい…」
「…大袈裟にございましょう?」
「ずっとこうしていられれば…
好きだ…」
陛下の瑠璃色の瞳が揺らめきながら、私の瞳を見つめた。
「私も…
好きか嫌いかならば、好きにございます。」
「笑わせるな。
真剣なのだ、俺は。」
「いえ、私も真剣で…」
そう言いかけた時私は陛下の唇によって口を塞がれた。
「だ、だ、抱きしめるだけだと!?」
私は陛下を突き離す。
「俺はこの世で1番可哀想な男だな…」
「お、お、お話でもしませんか?」
「話ならいつもしているではないか?」
「今日は陛下に告白したい秘密がございます…」
「なに…?」
私たちはベッドに横になり、陛下は私を片手で抱き寄せた。
「私には前世の記憶があるのです。
陛下。
私の軍師としての知識の源は全て前世の記憶でございます。」
「そうか…」
陛下はそう言った。
「驚かれないのですか?」
「何かカラクリがあるとは思っていた。
米などは、この世に無いものだからな。
だが、よく話してくれた。
どんな事情があっても、俺の気持ちは揺るぎない。
それだけ、永遠に忘れないでくれ…
おやすみ、我が愛しき姫…」
そして、陛下は私の額にキスを落としたのだった。