【完結】皇帝陛下の軍師寵姫
39 戦いの始まり
その日、ベルゼン殿とラッセル殿と城下町に飲みに出かけた。
もちろん、作戦会議も兼ねてであるが。
まぁ、飲み会がメインになるだろうか?
酒場に着くといつもの個室に通され、私たちはそれぞれに酒と肴を注文した。
「皇帝陛下は次はデリス国を攻めようというお考えがあるらしい。」
ベルゼン殿が白ワインを飲みながら言った。
「ほぉほぉ。
では、デリス国に攻め入る訳ですね?」
「もう既に、デリス国の中央あたりまで進軍しているが…」
ベルゼン殿がオニオンフライをつまみながらいう。
「が?」
何か問題でもあるのだろうか?
「それが、エティーナ殿。
デリス国のデリィ城は難攻不落の城として、超有名なんですよ。
デリス軍はその城に籠城しており、こちらの軍資が尽きるのを待っている様なのです。」
ラッセル殿が説明した。
「ほぉほぉ。
なるほど。
難攻不落の城ですか?
で、どの様に難攻不落なのですか?」
私はイカゲソを食べながら尋ねた。
「大きくは、よく地理を利用したところに城が建てられている点です。
つまり、デリィ城は四方を高い山脈に囲まれているのですよ。」
ラッセル殿が続けて説明する。
「へぇ?
山を越えることはできぬのですか?」
「それがなぁ…
その山脈は標高が高く、武装して上るには、ちときつい。
それに、デリス国はその山脈にモンスターを放ち、様々な魔法の罠を仕掛けている。
とても、デリィ城までは辿り着けぬよ…」
「なるほど…
それは分かりましたが、攻略せねば負けるのでございましょう?」
「それはそうだ。
だから、陛下も頭を抱えておるのよ。」
ベルゼン殿がいう。
「何かいい案はございますか?
エティーナ殿?」
ラッセル殿に問われて私は考える。
「それにしても…
デリィ城が難攻不落なのはわかったけれど…
その城の物資はどうやって運んでいるの?
高い山脈に囲まれていたんじゃ、自分達だって困るでしょう?」
「それがな。
どうもデリィ城と街を繋ぐ秘密の経路があるらしい。
しかし、それを探っても、全くわからなくてな。
もしかしたら、結界でも張ってあるやもしれん。」
ベルゼン殿が困ったような表情で言う。
「うーん、その秘密の経路を割り出せれば…とも思ったのですが…
無理…か…」
「無理だな。」
「無理ですな。」
ベルゼン殿とラッセル殿が言う。
そうして、その日の飲み会は何も実りの無いまま、終わりを告げたのだった。
今日はベルゼン殿は潰れていないので、明け方、3人でゆるやかな坂道を上がり、後宮、本城へ、それぞれ帰って行ったのだった。
もちろん、作戦会議も兼ねてであるが。
まぁ、飲み会がメインになるだろうか?
酒場に着くといつもの個室に通され、私たちはそれぞれに酒と肴を注文した。
「皇帝陛下は次はデリス国を攻めようというお考えがあるらしい。」
ベルゼン殿が白ワインを飲みながら言った。
「ほぉほぉ。
では、デリス国に攻め入る訳ですね?」
「もう既に、デリス国の中央あたりまで進軍しているが…」
ベルゼン殿がオニオンフライをつまみながらいう。
「が?」
何か問題でもあるのだろうか?
「それが、エティーナ殿。
デリス国のデリィ城は難攻不落の城として、超有名なんですよ。
デリス軍はその城に籠城しており、こちらの軍資が尽きるのを待っている様なのです。」
ラッセル殿が説明した。
「ほぉほぉ。
なるほど。
難攻不落の城ですか?
で、どの様に難攻不落なのですか?」
私はイカゲソを食べながら尋ねた。
「大きくは、よく地理を利用したところに城が建てられている点です。
つまり、デリィ城は四方を高い山脈に囲まれているのですよ。」
ラッセル殿が続けて説明する。
「へぇ?
山を越えることはできぬのですか?」
「それがなぁ…
その山脈は標高が高く、武装して上るには、ちときつい。
それに、デリス国はその山脈にモンスターを放ち、様々な魔法の罠を仕掛けている。
とても、デリィ城までは辿り着けぬよ…」
「なるほど…
それは分かりましたが、攻略せねば負けるのでございましょう?」
「それはそうだ。
だから、陛下も頭を抱えておるのよ。」
ベルゼン殿がいう。
「何かいい案はございますか?
エティーナ殿?」
ラッセル殿に問われて私は考える。
「それにしても…
デリィ城が難攻不落なのはわかったけれど…
その城の物資はどうやって運んでいるの?
高い山脈に囲まれていたんじゃ、自分達だって困るでしょう?」
「それがな。
どうもデリィ城と街を繋ぐ秘密の経路があるらしい。
しかし、それを探っても、全くわからなくてな。
もしかしたら、結界でも張ってあるやもしれん。」
ベルゼン殿が困ったような表情で言う。
「うーん、その秘密の経路を割り出せれば…とも思ったのですが…
無理…か…」
「無理だな。」
「無理ですな。」
ベルゼン殿とラッセル殿が言う。
そうして、その日の飲み会は何も実りの無いまま、終わりを告げたのだった。
今日はベルゼン殿は潰れていないので、明け方、3人でゆるやかな坂道を上がり、後宮、本城へ、それぞれ帰って行ったのだった。