【完結】皇帝陛下の軍師寵姫
4 初めての外出
そうして、豪華なエドバ城の馬車が迎えにきた。
うーん、これではお忍びというより、王族の視察のようだ…
しかし、贅沢も言っていられないので、その馬車に乗り込んだ。
馬車はゆっくりと広い坂道を下りていき、巨大な門を潜り城砦都市に入った。
城砦都市には、刀鍛冶店や装飾店、ドレス店などが立ち並び、貴族や上級市民達で盛況だった。
しかし、そんなところはどうでも良いのだ。
私が目指すのは、別のところである。
「おい、エティーナ、どこへ行く?
そっちには農村地帯しか無いのだぞ?
ほら、そなたに似合う髪飾りでも…」
「そのような物は不要にございます。
私の目的は農村地帯を見る事にございますゆえ。」
「はぁ…
農村地帯を…?
そなたの変わりようにはついて行けぬな…」
「いいから、こちらへ。
ふーむ、土壌はまぁ良いようにございますね。
陛下?」
「なんだ?」
「戦国の兵糧の10項目を知っておりますか?」
「戦国の兵糧…の10項目…?
なんだ?
とりあえずじゃがいもなどがあれば良いのだろう?」
「甘い…!
甘うございますわ!
戦国の兵糧の10項目はこうです。
柿、栗、タイモ、松、梅、わらび、イチョウ、ふき、みかん、桃
これが、戦国の兵糧10項目でございますわ。
特に、柿、タイモ、わらび、みかんはあって損はございません。
早急に農村地帯の改革を進めるべきにございます!」
「ふーむ。
まぁ、確かに、どれも使い勝手はあるが…
そなたのその知識はどこから…?」
「とにかく…!
早急にそれらを植えてくださいまし!」
「わ、分かった。
そう致そう。
そ、そ、それで、茶でも飲んで行かぬか?
そこに、マドレーヌと茶のセットがあるぞ。」
「まぁ…!
甘い物は大好きですわ!
ぜひ!」
「そうか、そなたにも普通の姫らしいところがあるのだな…」
「あら、私は普通の姫ですわよ?ふふふ。」
そして、私たちは茶屋に入った。
「どうだ?
外に出て楽しかったか?」
「えぇ、とても!
また、連れてきてくださりますか?」
「そ、そ、それは…で、で、デートの誘いなのか…?」
「は?
いいえ。
ただ外に出たいだけだございます。」
私は馬鹿正直に答えた。
「ふ、ふん!
外出許可証は少し考えさせてもらう!
そなたは普通の姫ゆえな!」
何故か皇帝陛下は怒ってそうおっしゃった。
「そうでございますか…」
しょぼんとする私。
「そ、そう、悲しい顔をするなっ!」
「はぁ…
そうおっしゃられても…」
「そうだ、外出許可証を発行する為に、俺に礼をする、と言うのはどうだ?」
「礼?
でも、お金も持っていませんわ。」
「口付けで良い。」
「え…!?!?!?
それは、その…」
口付け?
いやでも初夜と言うくらいだから、口付けくらいは…
ぐるぐると考えを巡らせる。
「もう良い。
いやいやされても興が冷めるわ。」
皇帝陛下はぷいと横を向いてそう言った。
終始気まずい雰囲気のまま、初めての外出は終わったのだった。
うーん、これではお忍びというより、王族の視察のようだ…
しかし、贅沢も言っていられないので、その馬車に乗り込んだ。
馬車はゆっくりと広い坂道を下りていき、巨大な門を潜り城砦都市に入った。
城砦都市には、刀鍛冶店や装飾店、ドレス店などが立ち並び、貴族や上級市民達で盛況だった。
しかし、そんなところはどうでも良いのだ。
私が目指すのは、別のところである。
「おい、エティーナ、どこへ行く?
そっちには農村地帯しか無いのだぞ?
ほら、そなたに似合う髪飾りでも…」
「そのような物は不要にございます。
私の目的は農村地帯を見る事にございますゆえ。」
「はぁ…
農村地帯を…?
そなたの変わりようにはついて行けぬな…」
「いいから、こちらへ。
ふーむ、土壌はまぁ良いようにございますね。
陛下?」
「なんだ?」
「戦国の兵糧の10項目を知っておりますか?」
「戦国の兵糧…の10項目…?
なんだ?
とりあえずじゃがいもなどがあれば良いのだろう?」
「甘い…!
甘うございますわ!
戦国の兵糧の10項目はこうです。
柿、栗、タイモ、松、梅、わらび、イチョウ、ふき、みかん、桃
これが、戦国の兵糧10項目でございますわ。
特に、柿、タイモ、わらび、みかんはあって損はございません。
早急に農村地帯の改革を進めるべきにございます!」
「ふーむ。
まぁ、確かに、どれも使い勝手はあるが…
そなたのその知識はどこから…?」
「とにかく…!
早急にそれらを植えてくださいまし!」
「わ、分かった。
そう致そう。
そ、そ、それで、茶でも飲んで行かぬか?
そこに、マドレーヌと茶のセットがあるぞ。」
「まぁ…!
甘い物は大好きですわ!
ぜひ!」
「そうか、そなたにも普通の姫らしいところがあるのだな…」
「あら、私は普通の姫ですわよ?ふふふ。」
そして、私たちは茶屋に入った。
「どうだ?
外に出て楽しかったか?」
「えぇ、とても!
また、連れてきてくださりますか?」
「そ、そ、それは…で、で、デートの誘いなのか…?」
「は?
いいえ。
ただ外に出たいだけだございます。」
私は馬鹿正直に答えた。
「ふ、ふん!
外出許可証は少し考えさせてもらう!
そなたは普通の姫ゆえな!」
何故か皇帝陛下は怒ってそうおっしゃった。
「そうでございますか…」
しょぼんとする私。
「そ、そう、悲しい顔をするなっ!」
「はぁ…
そうおっしゃられても…」
「そうだ、外出許可証を発行する為に、俺に礼をする、と言うのはどうだ?」
「礼?
でも、お金も持っていませんわ。」
「口付けで良い。」
「え…!?!?!?
それは、その…」
口付け?
いやでも初夜と言うくらいだから、口付けくらいは…
ぐるぐると考えを巡らせる。
「もう良い。
いやいやされても興が冷めるわ。」
皇帝陛下はぷいと横を向いてそう言った。
終始気まずい雰囲気のまま、初めての外出は終わったのだった。