【完結】皇帝陛下の軍師寵姫

43 バースデー♪

sideファウル

その日もエティーナはルードラの街に出かけていた。
しかし、その日はエティーナの18歳の誕生日おめでとうだということを俺は知っていた。

俺はマリア達と共にエティーナの部屋をマジックバルーンで飾りつけた。

「エティーナ様もきっと喜ばれますわ!」

マリアが言い、エティーナの好きな薄紫色のバルーンを浮かせた。

「そ、そ、そうか!?」

「えぇ、もちろんでございますわ!
陛下自ら飾りつけるなど、本当に仲睦まじいのでございますね!」

仲睦まじい?
それは、肯定も否定もできない所だが…

まぁ良い!
これで、飾りつけは完璧だ!

おっと、後はケーキとシャンパンを運んでおかなくては!

俺は調理場にケーキとシャンパンを取りに向かった。

そして、なんと言ってもプレゼント!
これは、かなり悩んだ…

何せ、エティーナは服や飾りなどに一切の興味が無いのだ。

そこで!
手に取ったのが、エドババーバで1番古い書物屋から取り寄せた、戦図鑑である!
これなら、エティーナも喜ぶこと間違い無しだろう!

そうして、部屋を真っ暗にして、俺たちはベッドの下やカーテンの隙間に潜り込み、エティーナの帰りを待った。

「あら?
真っ暗だわ…
誰もいないの?
マリア?
レイ?
アール?」

「「「「お誕生日おめでとう!!!!」」」」

俺たちは隠れたていた場所から出て、一斉にクラッカーを鳴らした。

「まぁ…!
陛下まで…!

…ありがとう。」

エティーナは感激しているようである。

「さぁ、ケーキの火を吹き消すんだ、エティーナ!」

そうして、ハッピーバースデーソングに合わせてエティーナは火を消した。

「さぁ、今日は飲むぞ!!!」

俺はシャンパンを開ける。

♦︎♦︎♦︎

それから、2時間半ほど、歌い、喋り、飲み、プレゼントも渡して、マリア達は部屋から下がっていった。

つ、つ、つまり!
エティーナと二人きりだ!!!
落ち着け、俺!
ここで、選択肢を誤ると、成就するものもしないぞ!

「んー…
酔ってきちゃいましたわ…」

エティーナは主役なのでだいぶ飲まされている。
彼女は酒は強い方だが、今日の量では酔うなという方が無茶だろう。

「…だ、大丈夫か…?
べ、べ、ベッドに行かぬか…?」

俺は手に汗握りながらそう言った。

「んー…
歩けませぬ〜…」

彼女は俺にしなだれかかる。
どうやら、酔うと甘えん坊になるらしい。

か、か、かわいいッッッ…!

俺は彼女を抱き上げ、ベッドに連れていった。

「ん〜…
陛下の顔面白い〜…」

「俺は三枚目では無い!
自慢じゃないが、顔だけで生きてきて…」

酔っている彼女に冷静なツッコミを入れるが…

「変な顔〜…!」

エティーナは俺の顔を撫でる。

もう、変な顔でもいい!!!

俺はエティーナの顎をさりげなく持ち上げた。

しかし、その瞬間!
彼女は俺の首筋に両手を回して唇に吸い付いてきた!

おっふぅ…!
これは、ラッキー!

じゃなくて…!

「エ、エ、エティーナ!
ちょっと待ってくれ!」

「何れぇ?」

「いや、そなたはだいぶ酔っておるし、そう言った状態で…」

「いいの、いいろ!」

彼女はまた、俺に口付けした。

そうだよな!
良いよな!

俺がエティーナに本格的に覆い被さろうとした時…!

彼女はグースカ寝息を立てて寝ていた…
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