【完結】皇帝陛下の軍師寵姫
45 一割のキモチ
私はボーゼンと陛下が出ていった扉を見ていた。
どう考えても私が悪い…よね?
陛下は精一杯の気持ちで私に告白してくださったのに…
でも、でもよ?
本当に自分の気持ちが分からない…
私…陛下の事好きなの…?
陛下は他の姫君の元に行くと言ってあった。
それは…嫌だった…
でも、強がって…
上手く言葉にならなかった…
今なら…まだ、間に合うかも…?
私は扉を開けて陛下を追いかけていた!
しかし、陛下はもうすでに姫君の部屋に入っていらっしゃるかもしれない。
そうは思ったが、いてもたってもいられなかった。
トパーズの後宮を走り回っていると…
裏庭に陛下は切り株の上に座っていた。
え…?
他の姫の元に行ったのでは…?
「へ、へ、陛下…」
「エ、エティーナ…」
「申し訳ございませんでした…!
陛下のお気持ちを考えずに、私は…
きちんと、お返事致しますゆえ、聞いてくださいますか?」
「あぁ…
はっきり言ってくれ…」
「私は陛下の事が好き…かもしれません…」
「かも!?!?」
「そうでございます。
かもです。
陛下が他の姫君の元にいかれると言って嫌な気持ちになりました。
それは、好きという事でしょうか…?」
「エティーナ…
俺はもう、それだけで十分だ…
かも、でも良い…」
「いいえ、最後までお聞きください。
とは言え、私は恋愛経験がございません。
今世も前世でも…
それゆえに陛下を苛立たせることもあるやもしれぬし…
それに…」
「それに?」
「陛下の好きの一割程度の気持ちしか無いやもしれません。
…本当に、それでも良いのですか…?」
「一割か…
そなたも腹が立つ女子よな。
それでも良いと言ったら、俺はこの国一の馬鹿かもしれぬな…
でも、それでも良い。
後の9割は俺が埋める。
それくらい好きだ…」
「陛下…」
「では、正式に付き合うということにしよう。
やっと、だな。」
「ふふふ。
やっと、でございますね。」
私たちは笑い合った。
残り9割は俺が埋める、という陛下の言葉を今は信じて前に進もうと思った。
その日私たちは一緒に眠った。
もちろん、それ以上の事は無いけれど。
ただ陛下の広い胸板に顔を埋めるだけで、なんだか心地よかった。
「なぁ…
エティーナ…?」
「何ですか、陛下?」
「そなたの前世はどんな場所だったのであろうか?」
「そうですねぇ。
馬車よりも速い車というものが走り、洗濯機という機械があり…
なかなか便利な場所でしたわ。」
「そうか…
俺も行ってみたかったな、そなたの前世の故郷に…」
「ふふふ。
いつでも私がお話しして差し上げますわ。
おやすみなさい、陛下。」
「おやすみ、エティーナ。
良き夢を。」
そうして、夜は更けていくのだった。
どう考えても私が悪い…よね?
陛下は精一杯の気持ちで私に告白してくださったのに…
でも、でもよ?
本当に自分の気持ちが分からない…
私…陛下の事好きなの…?
陛下は他の姫君の元に行くと言ってあった。
それは…嫌だった…
でも、強がって…
上手く言葉にならなかった…
今なら…まだ、間に合うかも…?
私は扉を開けて陛下を追いかけていた!
しかし、陛下はもうすでに姫君の部屋に入っていらっしゃるかもしれない。
そうは思ったが、いてもたってもいられなかった。
トパーズの後宮を走り回っていると…
裏庭に陛下は切り株の上に座っていた。
え…?
他の姫の元に行ったのでは…?
「へ、へ、陛下…」
「エ、エティーナ…」
「申し訳ございませんでした…!
陛下のお気持ちを考えずに、私は…
きちんと、お返事致しますゆえ、聞いてくださいますか?」
「あぁ…
はっきり言ってくれ…」
「私は陛下の事が好き…かもしれません…」
「かも!?!?」
「そうでございます。
かもです。
陛下が他の姫君の元にいかれると言って嫌な気持ちになりました。
それは、好きという事でしょうか…?」
「エティーナ…
俺はもう、それだけで十分だ…
かも、でも良い…」
「いいえ、最後までお聞きください。
とは言え、私は恋愛経験がございません。
今世も前世でも…
それゆえに陛下を苛立たせることもあるやもしれぬし…
それに…」
「それに?」
「陛下の好きの一割程度の気持ちしか無いやもしれません。
…本当に、それでも良いのですか…?」
「一割か…
そなたも腹が立つ女子よな。
それでも良いと言ったら、俺はこの国一の馬鹿かもしれぬな…
でも、それでも良い。
後の9割は俺が埋める。
それくらい好きだ…」
「陛下…」
「では、正式に付き合うということにしよう。
やっと、だな。」
「ふふふ。
やっと、でございますね。」
私たちは笑い合った。
残り9割は俺が埋める、という陛下の言葉を今は信じて前に進もうと思った。
その日私たちは一緒に眠った。
もちろん、それ以上の事は無いけれど。
ただ陛下の広い胸板に顔を埋めるだけで、なんだか心地よかった。
「なぁ…
エティーナ…?」
「何ですか、陛下?」
「そなたの前世はどんな場所だったのであろうか?」
「そうですねぇ。
馬車よりも速い車というものが走り、洗濯機という機械があり…
なかなか便利な場所でしたわ。」
「そうか…
俺も行ってみたかったな、そなたの前世の故郷に…」
「ふふふ。
いつでも私がお話しして差し上げますわ。
おやすみなさい、陛下。」
「おやすみ、エティーナ。
良き夢を。」
そうして、夜は更けていくのだった。