【完結】皇帝陛下の軍師寵姫

61 マリア&イグナード

sideマリア

その日イグナード様と廊下にてすれ違った。

「これは、これは、マリア殿。」

「イグナード様、ご機嫌麗しく…」

「いやいや、堅苦しいのはやめましょう。
お互い苦労しますなぁ。」

「えぇ!
そうですわ!
内政勝負の件でございましょう!?
呆れ果てて物も言えませんわ…」

「全く同意しますよ…
なんとかならぬものですかね?
陛下は政務室に篭られてエティーナ様とデートもして無いのでしょう?」

「えぇ。
エティーナ様も外出許可証で全国を飛び回ってましてよ!」

私もイグナード様も立腹していた。
半分は呆れているが。

そして、その日私とイグナード様の連名の元お2人を呼び出した。

「なんなの、マリア?
イグナード様まで?
今ね、大事な時なのよ?」

「そうだ!
勝負は勝つか負けるか!」

陛下も同意する。

しかし、私もイグナード様もはらわた煮えくりかえっていたのだ。

「エティーナ様っ!
恐れ多くも陛下っ!
この勝負、2人とも負けにございます!」

私は言う。

「どう言う事!?」
「どう言う事だ!?」

「陛下、エティーナ様、あなた方が歪み合う事になんの利点がありましょうか?
いいえ、何もございません。
エティーナ様と陛下の真のお勤めは、世継ぎを作ることかと思います。
それをせずして、何が夫婦そろって、内政だ、税収だ、ですか!?」

「し、しかし…」
「でもだな…」

「でももだっても、なぁぁぁぁい!!!

いいですか!?
今日一日は外出を許しません!
2人で部屋に篭って反省をしてください!!!
どれほど愚かなことをしたのか、考えるのです!!!」

私とイグナード様は雷を落とした。

そして、2人を部屋に閉じ込め、施錠した。

「ふぅ…
これで、反省してくれればいいんですけれど…」

「うーむ、どうだろうか?
また、戦勝負などと言い出しかねない…」

私とイグナード様はやれやれと肩をすくめたのだった。
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