【完結】皇帝陛下の軍師寵姫

62 勝負の終わり

私たちは部屋に閉じ込められて困っていた。

今はライバル同士である。
税収も拮抗しており、どちらが勝ったかもわからない。

お互いに沈黙していた。

「エティーナ…」
「陛下…」

私たちは同時にそう言った。

「エティーナから申せ!」
「いいえ、陛下からどうぞ!」

「その、す、す、すまなかった…」
「いいえ、こちらこそ、申し訳ありませんでした…」

私たちは謝り合った。

「こ、こ、子作りでもするか?」

「冗談ですわよね?」

私の目はきっと笑っていないだろう。

「は、はは…」

というわけで、私たちはベッドで肩を寄せ合いながら、いつものようにこの国の未来について熱く語ったのだった。

こうして、マリアとイグナード様の一喝の元、やっと内政勝負は終わった。
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