【完結】皇帝陛下の軍師寵姫
64 戦いを制す物
その日、陛下と私はエドババーバ軍の視察に城砦都市内の訓練所に出向いていた。
「見よ!
我が軍の見事なこと!
騎虎隊が重装にて突撃し、騎狼隊がそれに続き敵を蹴散らす、さらに騎猫隊が塀の上の敵さえも逃さない。
これぞ、軍の完成型だ!」
「果たしてそうでしょうか?
何事にも、完成というのはございますまい。
私は完全なものなど無いと思っております。」
「なに?
そなたは我が軍が不完全であると申すのか!?」
「御意。
陛下、これからの時代の戦いを制する物は何だと思われますか?」
「なんだ?
数か?
地の利か?
陣形か?」
陛下は当てずっぽうに言う。
「全て違います。
いいえ、全てに共通する、ある物だともいえます。」
「なんだ?
もったいぶらずに申せ。」
「それは…
情報にございます。」
「情報…?」
「まさに。
敵軍の正確な数を捉え、地の利を知り、陣形を見極める。
そのための情報をどちらが先に手に入れるか、それが勝負を分かつのでございます。」
私は言った。
「ふ、ふむ。
そなたの言いたい事は分かった。
しかし、これ以上軍隊をどうせよ、というのだ?
偵察部隊ならば、もう作っておるしな。」
「もっと進化した偵察部隊を作ってみる気はございませんか?」
「もっと進化した…?」
「そうです。
普通の偵察部隊ならば、敵軍も持っておりますゆえ、勝負はフィフティフィフティでございます。
しかし、空からの偵察部隊ならば、いかん?」
「空…から…?」
「鈍うございますよ、陛下。
つまり…
騎鳥隊を作るのです。」
「騎鳥隊とな!?」
「えぇ、運がいい事にウチの副騎士長ラッセル殿は調教のスキルを持つ者。
虎、狼、猫を従える事ができれば、鳥も従えられるでしょう。
まさか、敵も鳥が偵察するとは思っておりますまい。」
「なるほど!
ラッセル、どうだ?
出来るか?」
陛下は隣に控えるラッセル殿に声をかけた。
「陛下の為、全力を尽くして期待に応えます…!」
そうして、騎鳥隊が3週間後には出来上がった。
騎虎隊、騎狼隊、騎猫隊、騎鳥隊を従えたエドババーバ軍はますます負け知らずの強国として名を馳せたのだった。
「見よ!
我が軍の見事なこと!
騎虎隊が重装にて突撃し、騎狼隊がそれに続き敵を蹴散らす、さらに騎猫隊が塀の上の敵さえも逃さない。
これぞ、軍の完成型だ!」
「果たしてそうでしょうか?
何事にも、完成というのはございますまい。
私は完全なものなど無いと思っております。」
「なに?
そなたは我が軍が不完全であると申すのか!?」
「御意。
陛下、これからの時代の戦いを制する物は何だと思われますか?」
「なんだ?
数か?
地の利か?
陣形か?」
陛下は当てずっぽうに言う。
「全て違います。
いいえ、全てに共通する、ある物だともいえます。」
「なんだ?
もったいぶらずに申せ。」
「それは…
情報にございます。」
「情報…?」
「まさに。
敵軍の正確な数を捉え、地の利を知り、陣形を見極める。
そのための情報をどちらが先に手に入れるか、それが勝負を分かつのでございます。」
私は言った。
「ふ、ふむ。
そなたの言いたい事は分かった。
しかし、これ以上軍隊をどうせよ、というのだ?
偵察部隊ならば、もう作っておるしな。」
「もっと進化した偵察部隊を作ってみる気はございませんか?」
「もっと進化した…?」
「そうです。
普通の偵察部隊ならば、敵軍も持っておりますゆえ、勝負はフィフティフィフティでございます。
しかし、空からの偵察部隊ならば、いかん?」
「空…から…?」
「鈍うございますよ、陛下。
つまり…
騎鳥隊を作るのです。」
「騎鳥隊とな!?」
「えぇ、運がいい事にウチの副騎士長ラッセル殿は調教のスキルを持つ者。
虎、狼、猫を従える事ができれば、鳥も従えられるでしょう。
まさか、敵も鳥が偵察するとは思っておりますまい。」
「なるほど!
ラッセル、どうだ?
出来るか?」
陛下は隣に控えるラッセル殿に声をかけた。
「陛下の為、全力を尽くして期待に応えます…!」
そうして、騎鳥隊が3週間後には出来上がった。
騎虎隊、騎狼隊、騎猫隊、騎鳥隊を従えたエドババーバ軍はますます負け知らずの強国として名を馳せたのだった。