【完結】皇帝陛下の軍師寵姫

68 いよいよ

その日、ベルゼン殿とラッセル殿と私の3バカで相変わらず飲んでいた。

「いよいよ、ヤルガータとスーベルシアを残すのみになったなぁ!」

ベルゼン殿が言った。
そう、エドババーバ国は大陸のうちのほとんどを手中に収めており、あとはヤルガータとスーベルシアを残すのみだったのだ。
しかし、それがなんとも簡単には落ちなくて、手をこまねいている訳だが。

「そうですなぁ!
これはいよいよ大陸統一も目前ですね!」

ラッセル殿が陽気に答える。
が…
そう上手く行くのだろうか…?

「ならば、そろそろアレを作る時でございますね。」

私は言った。

「「アレ、とは!?」」

ベルゼン殿とラッセル殿が声を合わせて言う。

「簡単な事にございますよ。
騎猫隊、騎狼隊、騎虎隊、騎鳥隊が居るのにもかかわらず、アレがないではありませんか?」

「いや、分からぬ。
はっきりと言ってくれ。」

ベルゼン殿が首を傾げて言う。

「騎竜隊でございますよ。」

「騎竜隊!?
騎竜隊かぁ!?」

ベルゼン殿は唸る。

そして、ラッセル殿は腕組みして沈黙している。

「やはり、竜を従えるのは難しいのですか?」

「うーん、はっきり言ってそうですね。
竜は警戒心が強く、また、賢く、強い魔物です。
それを従えるとなると…」

「ふむ。
なるほど。
では、こうしてはいかがでしょうか?

まず、竜の中でも比較的大人しいメスを調教する。
そして、オスを釣るのです。

どの世界でも男は女に弱いものですから。」

「はっはっはっ。
耳が痛い話でございますね。

しかし、それはいけるかもしれない。
やってみましょう!」

そして、1週間後、3体のオスの竜を調教する事に成功したとの一報が入ってきた。

これで、我がエドババーバ軍に騎竜隊ができたのであった。
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