【完結】皇帝陛下の軍師寵姫
69 イグナードの進言
sideイグナード
その日もいい天気だった。
相変わらず陛下はエティーナ様の元から朝帰りするし、で、お二人のラブラブは変わらない。と、そう信じ込んでいた。
私は陛下の部屋へと向かった。
陛下は湯に入り、着替えて少しさっぱりしたところであった。
「なんだ、イグナード?
そなたが部屋まで来るとは不思議な事もあるものだ。」
陛下はおっしゃる。
「今日はお日柄もよく、陛下に進言したき事がございます。」
「なんだ?
申せ。」
「エティーナ様をそろそろ正妃にしてはいかがでしょうか?」
私がそう言うと、陛下は飲んでいた紅茶を吹き出した。
「何も、そんなにお驚かれる事は無いでしょう?
エティーナ様とはいつも一緒におられるし、今エティーナ様が正妃候補から正妃になったとて、喜ぶ者はおれど、悲しむ者など1人もおりませんぞ。」
「し、し、しかしなぁ…
その、あれだ…」
「それでは分かりませぬ。」
「その、エティーナの気持ちというものもあるだろう?」
「正妃になりたいに決まっておるではありませんか!
今日もエティーナ様の部屋から朝帰りしたくせに何を申すのですか?」
「いや、その、あれだ…」
「ですから、それでは分かりませぬ。」
「朝帰りといってもだな…
その、そういった事実がある訳では無いし…」
陛下のその言葉に私は紅茶をもし飲んでいたら全部吹き出しただろう。
「はぁぁぁぁぁあ!?
ま、ま、まさか!?
エティーナ様とまだ!?」
「あほう!
大きな声で申すなっっっ!!!」
「声も大きくなりましょう!!!
では、2人はまだプラトニックな関係だと申されるのか!?」
「ま、まぁ、そういう事よ…」
「陛下、どこか具合でも悪いのですか?
医師を呼んで参りますゆえ…」
「あほ!
俺はどこも悪く無い!」
「では、何故!?」
「それは、その、き、き、嫌われるのが怖いから…
も、もう、良いわ!
その話は!
俺は仕事で忙しいのでな!
イグナード、先に行くぞ!!!」
そう言って陛下は逃げていった。
はぁぁぁぁあ…
私は大きな大きなため息をついた。
プレイボーイも、真剣な恋に落ちると形無しという訳か…
全く困った事だ…
私の悩みはしばらく尽きそうに無い。
その日もいい天気だった。
相変わらず陛下はエティーナ様の元から朝帰りするし、で、お二人のラブラブは変わらない。と、そう信じ込んでいた。
私は陛下の部屋へと向かった。
陛下は湯に入り、着替えて少しさっぱりしたところであった。
「なんだ、イグナード?
そなたが部屋まで来るとは不思議な事もあるものだ。」
陛下はおっしゃる。
「今日はお日柄もよく、陛下に進言したき事がございます。」
「なんだ?
申せ。」
「エティーナ様をそろそろ正妃にしてはいかがでしょうか?」
私がそう言うと、陛下は飲んでいた紅茶を吹き出した。
「何も、そんなにお驚かれる事は無いでしょう?
エティーナ様とはいつも一緒におられるし、今エティーナ様が正妃候補から正妃になったとて、喜ぶ者はおれど、悲しむ者など1人もおりませんぞ。」
「し、し、しかしなぁ…
その、あれだ…」
「それでは分かりませぬ。」
「その、エティーナの気持ちというものもあるだろう?」
「正妃になりたいに決まっておるではありませんか!
今日もエティーナ様の部屋から朝帰りしたくせに何を申すのですか?」
「いや、その、あれだ…」
「ですから、それでは分かりませぬ。」
「朝帰りといってもだな…
その、そういった事実がある訳では無いし…」
陛下のその言葉に私は紅茶をもし飲んでいたら全部吹き出しただろう。
「はぁぁぁぁぁあ!?
ま、ま、まさか!?
エティーナ様とまだ!?」
「あほう!
大きな声で申すなっっっ!!!」
「声も大きくなりましょう!!!
では、2人はまだプラトニックな関係だと申されるのか!?」
「ま、まぁ、そういう事よ…」
「陛下、どこか具合でも悪いのですか?
医師を呼んで参りますゆえ…」
「あほ!
俺はどこも悪く無い!」
「では、何故!?」
「それは、その、き、き、嫌われるのが怖いから…
も、もう、良いわ!
その話は!
俺は仕事で忙しいのでな!
イグナード、先に行くぞ!!!」
そう言って陛下は逃げていった。
はぁぁぁぁあ…
私は大きな大きなため息をついた。
プレイボーイも、真剣な恋に落ちると形無しという訳か…
全く困った事だ…
私の悩みはしばらく尽きそうに無い。