【完結】皇帝陛下の軍師寵姫

75 聖なる夜

その日、陛下が神妙な顔つきで私の部屋に来られた。

「そのように真剣な顔をされて、何かあったのですか?」

「スーベルシアとの戦いが決まったのよ…」

「まぁ…」

「長い長い戦いになるやも知れぬ…」

「そうでございますか…」

私はそれしか言えなかった。

「なぁ、エティーナ?」

「はい。」

「そなたは俺が結核の時に、イグナードに、俺を愛している、と言ったそうだな?」

「え、えぇ…」

「俺もそなたを心から愛している。」

「はい…」

「スーベルシアとの戦いの前に、そなたを抱きたい。
抱きしめて、抱き合って、朝まで離したくないのだ。」

「…………。」

「嫌か?
嫌ならばやめる。」

帰ろうとする陛下の袖を掴み私は言う。

「嫌ではありませんわ!

私もその、陛下と…」

「それ以上言わなくて良い。
ただ、今は俺の腕の中に…
エティーナ…」

そして、私は陛下にベッドに運ばれると、熱く交わった。
そうして、聖なる夜は更けて行くのだった。
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