【完結】皇帝陛下の軍師寵姫
後日談

79 後日談①

私は、1月14日のその日、悩んでいた。
1月14日と聞いてみなさん何を思うだろうか?
おそらく大部分の人は何も思いつかないのでは無いだろうか?

私はうーん…と言いながら廊下を行ったり来たりする。

「どうしたのだ…?
まるで不審者だぞ?」

ファウルがそう言った。

「ファウル、今日は1月14日なのよ!」

「はぁ…?
普通の日ではないか?
何か行事でもあったか?

俺たちの結婚記念日は夏だしな。」

トンチンカンな事を言うファウル。
だけど、みんなもまだ、ピン!ときてないでしょう?

「あと、1ヶ月しか無いわ!」

私は言う。
ここで勘のいい人はピン!ときたはず。

「あと、1ヶ月?
と言う事は、2月14日に何かあると言うことか?

はて…?
何かあっただろうか?」

またしてもボケているファウル。

「もういいわ!

私は少し外に出るから!」

そして、私はエーラの街に向かった。

ここならば…
あるかもしれない…

あぁ、みなさんを置いてけぼりしていたようなのできちんと説明する。

そう、2月14日は()()()()()()()()だ!

恋する乙女が愛しい男性に告白する、大切な日である(前世日本では。)

それを、こっちの世界でもやってしまおう!とそう言うわけである。

しかし、無いのだ。

何が無いって?

肝心の()()()()()()だよ。

それがなくては話にならない。
いや、チョコレートの作り方は知っている。

発酵魔導師もいるし、大丈夫だ。

じゃあ何が無いって?

そう、カカオの木だ。

はぁぁぁ…

南方貿易の品物を見回してもカカオらしき木は無い。

諦めて帰ろうとした時、市場にカカオの木が一本売っていた!

「これ、ください!」

「あぁ、これ何の植物かも分からないし、やめといた方がいいよ。」

「くださいって言ってるんだから、売りなさいよ!!!」

私は剣幕で言う。

「い、いいけど…
食べられる物じゃないんだぜ?
お姉さん変わってんなぁ?」

そして、銅貨3枚でそれを買った。

やったわ!

これで、チョコレートが作れる!!!
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