こっそり料理してる事がバレて、ガイコツ王子と政略結婚させられました。あれれ?私の料理でふっくらされたら、普通にかっこいい???

10 料理教室

次の日、ガイコツ王子がまたお昼頃に来られた。
何故かガイコツ王子は眉の辺りばかりをしきりに触っている。

触ったって毛は無いだろうに…

私は少し可哀想にそう思った。

しかし、次の瞬間…!
あることに気づいたのだ…!

うっすらと、かなりうっすらとだが、ガイコツ王子の眉位置に毛が生えている!?

それはうぶ毛かと言われればそうかもしれないが、だが、眉の位置だけに生えているんだから、眉毛なのでは!?

私はじっと眉を見つめた。

「な、なんだ?
じっと見つめて…
も、もしかして気がついたのか?」

「なんだ、それで眉を触っていたのですね!
早くおっしゃってくれれば良いのに!」

「ば、ばか。
男心が分かってないな。
アピールして気づいてもらっても嬉しく無いだろ!」

ガイコツ王子は嬉しそうに言う。
眉をしきりに触っていたのは、アピールのうちに入らないのか…?
とは、言わず。

「おめでとうございます!」

と言った。

「あぁ、これも全てはそなたの料理のお陰だ。
こちらこそ、礼を申す。」

いつになく殊勝な物言いに、私は何となく困ってしまう。

「で、では、今日は、ガ…じゃ無い、シャルナーク様のお好きな肉じゃがにしましょう!
そうだわ!
みんなで一緒に作りましょうよ!」

私は提案する。

「りょ、りょ、料理をか…?」

眉間に皺を寄せるガイコツ王子。

「あら、これからは男性でも料理くらい出来なくては!
はい、まず皆石鹸で手をよーく洗って!
不味かったら自己責任で食べてもらいますからね!」

そうして、私の料理教室が始まったのだった。

「まずは、野菜などを切るときは猫の手ですわ!」

「猫を借りてくるのか?」

トンチンカンな事を言うガイコツ王子に私は説明する。

「ほら、こうやって指を全部中に入れて、ね?」

「こうか!?」

「それは、ただのグーです!」

「では、こう!?」

「それは鳥の手じゃ!
猫の手っつってんだろ!!!」

つい、暴言を吐いてしまった…!

「すまん…
こ、こうだな…」

「そうです。
お上手です。」

いかんいかん、腐っても相手は王族だ。
口の聞き方に気をつけねば…!

「だー!
あほんだらぁぁぁ!!!

じゃがいもは乱切りだっつってんだろ!怒」

「そ、そんな言い方しなくても良いじゃ無いか…!
こ、怖いぞ!」

「申し訳ございません!
ほほっ!
乱切りでしてよ~!
乱切りとは90度に回転させながら切る方法でしてよ~。
ホホホッ!」

私は急に胡散臭い丁寧語になる。

「よし、できたぞ!」

「あら、意外とお上手ですわね、シャルナーク様。」

シャルナーク様は程よい大きさに乱切りしたじゃがいもを見せた。
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