【完結】こっそり料理してる事がバレて、ガイコツ王子と政略結婚させられました。あれれ?私の料理でふっくらされたら、普通にかっこいい???
17 卵焼き器
sideシャルナーク
ローズリートとエレナ、俺の三角関係が始まろうとしていた頃。
その日、刀鍛冶師から卵焼き器が届いた。
「いやぁ、微妙な曲線を作るのには苦労しましたよ!」
そう言う刀鍛冶師に俺は金貨3枚を与えた。
刀鍛冶師はびっくりして俺を二度見していた。
金貨3枚といえば、半年は遊んで暮らせる額だったからだ。
「こ、こ、こんなにいただいて良いんですか…!?」
「遠慮致すな。
また、俺の妃は変な物を頼むかもしれないからな。
迷惑料だと思って受け取ってくれ。」
俺は笑いながらそう言った。
その頃の俺は頬のこけもだいぶふっくらし、顔には立派な眉毛とまつ毛が。
唇も徐々にピンク色でふっくらしてきていた。
急に顔を見せても、ヒィぃぃぃ!とか言う奴が居なくなってきたのだ。
相変わらず身体は痩せている方だが、ゼンリュートの奴が筋トレをした方が良いと言ってきて、迂闊にも賛同してしまった。
その日から俺は軽いダンベルを毎朝100回ずつ上げていた。
全てはローズリートに勝ち、エレナの心を手に入れる為だった。
そして、卵焼き器をラッピングした。
ラッピングペーパーで包もうとしたが、四角に取手があるそれは、ラッピングペーパーで包めるものではなかった。
仕方なく俺はラッピングペーパーで包むのを諦めて、取手の部分にリボンを巻きつけた。
うん、少し貧相だが、品物自体がコレだ…
仕方ないだろう…
俺はスキップしながら、エレナの元に向かった。
「あら、シャルナーク様!」
俺は卵焼き器を背後に隠す。
「エレナ!
そなたが楽しみに待って居たものを持ってきたぞ!」
俺は言った。
「まぁ、何ですか?」
「卵焼き器だ!」
俺は卵焼き器を見せた。
それを見たエレナは狂喜乱舞した。
「まぁ、これでレパートリーが増えますわ!
ネギ入りの卵焼きを作ろうかな?
いえ、やっぱりだし巻き卵?
明太子入りも美味しいわよね!」
「その、なんだ…」
「はい?」
「ほ、ほ、褒美は無いのか?」
「褒美、で御座いますか?」
ほら、ほっぺにちゅーとか、色々あるだろう!?
「では!
目を瞑ってください!」
き、き、キタァァぁぁぁ!!!
俺が目を瞑ると、エレナは俺の頭をよしよしと撫でた。
「違ーーーーーう!」
「シャルナーク…様…
あ、あ、頭に…」
「は?
何か糸屑でもついておったか?」
「ち、ち、違いますわ!
髪の毛です!!!」
その言葉に俺は衝撃を受けて、ふらついて倒れた。
髪…
髪…
髪の毛…!?
夢にまで見た髪の毛が生えたと言うのか!?
うそ…だ…
俺はそのまま気を失った。
ローズリートとエレナ、俺の三角関係が始まろうとしていた頃。
その日、刀鍛冶師から卵焼き器が届いた。
「いやぁ、微妙な曲線を作るのには苦労しましたよ!」
そう言う刀鍛冶師に俺は金貨3枚を与えた。
刀鍛冶師はびっくりして俺を二度見していた。
金貨3枚といえば、半年は遊んで暮らせる額だったからだ。
「こ、こ、こんなにいただいて良いんですか…!?」
「遠慮致すな。
また、俺の妃は変な物を頼むかもしれないからな。
迷惑料だと思って受け取ってくれ。」
俺は笑いながらそう言った。
その頃の俺は頬のこけもだいぶふっくらし、顔には立派な眉毛とまつ毛が。
唇も徐々にピンク色でふっくらしてきていた。
急に顔を見せても、ヒィぃぃぃ!とか言う奴が居なくなってきたのだ。
相変わらず身体は痩せている方だが、ゼンリュートの奴が筋トレをした方が良いと言ってきて、迂闊にも賛同してしまった。
その日から俺は軽いダンベルを毎朝100回ずつ上げていた。
全てはローズリートに勝ち、エレナの心を手に入れる為だった。
そして、卵焼き器をラッピングした。
ラッピングペーパーで包もうとしたが、四角に取手があるそれは、ラッピングペーパーで包めるものではなかった。
仕方なく俺はラッピングペーパーで包むのを諦めて、取手の部分にリボンを巻きつけた。
うん、少し貧相だが、品物自体がコレだ…
仕方ないだろう…
俺はスキップしながら、エレナの元に向かった。
「あら、シャルナーク様!」
俺は卵焼き器を背後に隠す。
「エレナ!
そなたが楽しみに待って居たものを持ってきたぞ!」
俺は言った。
「まぁ、何ですか?」
「卵焼き器だ!」
俺は卵焼き器を見せた。
それを見たエレナは狂喜乱舞した。
「まぁ、これでレパートリーが増えますわ!
ネギ入りの卵焼きを作ろうかな?
いえ、やっぱりだし巻き卵?
明太子入りも美味しいわよね!」
「その、なんだ…」
「はい?」
「ほ、ほ、褒美は無いのか?」
「褒美、で御座いますか?」
ほら、ほっぺにちゅーとか、色々あるだろう!?
「では!
目を瞑ってください!」
き、き、キタァァぁぁぁ!!!
俺が目を瞑ると、エレナは俺の頭をよしよしと撫でた。
「違ーーーーーう!」
「シャルナーク…様…
あ、あ、頭に…」
「は?
何か糸屑でもついておったか?」
「ち、ち、違いますわ!
髪の毛です!!!」
その言葉に俺は衝撃を受けて、ふらついて倒れた。
髪…
髪…
髪の毛…!?
夢にまで見た髪の毛が生えたと言うのか!?
うそ…だ…
俺はそのまま気を失った。