【完結】こっそり料理してる事がバレて、ガイコツ王子と政略結婚させられました。あれれ?私の料理でふっくらされたら、普通にかっこいい???

6 その…あれだ…

私たちが朝食後のお茶を楽しんでいると…

部屋の扉がバァーン!と開けられた。

「エレナ!!!」

「ヒィぃぃィィィ!
出たぁぁぁぁーーー!!!」

失神しかけるナタリー。

ポーラもテーブルの下にうずくまっている。

平気そうなのは、お茶を飲み続けているセスナだけだ。

「ま、まぁ、シャルナーク様…!
どうされましたの?
そんなに慌ててやっていらして?」

私は昨夜見慣れてしまったせいかそんなに驚かなかったが、やはりドキッと(悪い意味で)させるものはあった。

「はぁはぁ…
エ、エレナ…」

「はい。」

いや、その下りはさっき聞いたんだが…

「いや、その…
なんだ、その…」

「それでは一向に分かりません。」

「ええぃ!
今から言おうとしておるのだ!
急かすな!」

「はい、どうぞ?」

「いや、だから、その…」

「どーしたんですかっっ!?」

私の堪忍袋の緒が切れる。

「だからっ!
何か分からぬのか!?」

ガイコツ王子も怒っている。

「はぁ?
あぁ…!」

「分かったか!?」

「お召し物を黒に変えられたのですね。」

「ちがーーーーーーう!」

どうやら、そこでは無いらしい。
しかし昨日の今日で変わったところなど、洋服くらいでは無いのか?

「ほ、ほら、俺の顔だ!」

ガイコツ王子はヒントを出す。

「…はぁ…?」

何か変わっただろうか?
まさか、ガイコツ度が増えてしまった、とか!?

「どこか悪いところでも…?」

「逆だ、逆!
良くなったんだ!

えぇい、もういいわ!
全然当たらんでは無いか!」

少しイラついてるガイコツ王子。

「えぇ、私の観察力では無理にございました。
答えを教えていただけませんか?」

私は言う。

「その、あれだ…
いざ言うとなると緊張するな…

まつ毛…」

「は…?」

私とナタリーは顔を見合わせる。

「まつ毛が生えていたんだ!
今日起きたら、いつも無いまつ毛が生えていれではないか!

…そ、そ、それを伝えに来たんだ…」

ガイコツ王子は少し赤くなってそう答えた。

「ま、まぁ、それはおめでとうございます…!
えぇと…
まさかですけど、私の料理と関係ありますか?」

「俺はそう踏んでいる。
そなたの料理のお陰だ。

アレだ…」

また、訳の分からない事を言い始めるガイコツ王子。

「アレでは分かりませんが…」

「だからっ、褒美を渡そうと思っているのだ。
な、何か欲しい物はないか?」

ガイコツ王子が言う。

しかし、欲しいもの?
うーん…

無い…なぁ…

「ドレスはどうだ?」

「いりませぬ。」

「では、宝石は?」

「いりませぬ。」

「髪飾りなど…」

「いりませぬ。」

「えぇい!
一つくらい何かあろう!?」

癇癪を起こすガイコツ王子。
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