【完結】こっそり料理してる事がバレて、ガイコツ王子と政略結婚させられました。あれれ?私の料理でふっくらされたら、普通にかっこいい???
8 俺の女神
sideシャルナーク
俺は政務に戻った。
だが、政務の書類を片付けていても、頭に浮かぶのはエレナのあの笑顔だった。
バカな…
俺などが恋などしてどうすると言うのだ…?
俺はガイコツだぞ。
エレナだって、そんな俺に抱かれるのは、嫌だと言っておったでは無いか。
そうだ、俺はガイコツだ…
ふと、鏡を取り出して自分の顔を見た。
青白く、こけた頬に窪んだ目、紫色の唇…
何度見てもガイコツはガイコツだ。
何も変わらなかった。
だが、俺にはまつ毛が生えた…
そう思って目の部分をアップにすると…
ん?
んんん!?
眉毛が…!
眉頭に…!
うっすら金色の毛が…!
嘘だろう!?
まつ毛だけでも大喜びだったのに…
眉毛まで…
彼女は…エレナは…
俺の女神なのかもしれない…!
本気でそう思った。
ずっと鏡を食い入るように見ていると、呼んでいた刀鍛冶師が現れた。
「シャルナーク様。
今日はどのようなご用件で?」
刀鍛冶師は少しぶっきらぼうに言う。
「あぁ、それがだな、こんなフライパンを作って欲しいのだ。」
俺はエレナが描いた絵を見せる。
「はっ?
これは…
四角いフライパンでございますか?」
「あぁ、できぬか?」
「いえ、型を作って焼けば同じ要領でできますが…
このフライパンで一体何を…?」
刀鍛冶師は不思議そうな顔でそう尋ねた。
「それが、俺にもさっぱり分からぬのよ。」
俺は言った。
俺に分からぬ事など数えるほどしか無いと思っていたが、どうやら、また増えたようだ。
「はぁ…
分かりました。
一二週間いただきますが、良いですか?」
刀鍛冶師は絵の描いた紙を胸ポケットに入れて言う。
「あぁ、構わんぞ。
いつまでに欲しいとは言われて無いからな。」
「おや、シャルナーク様、女性へのプレゼントですか?」
刀鍛冶師は少し揶揄うような口調でそう言った。
「ゴホンッ!
ま、まぁ、そんなところだ。」
俺は少し照れてそう言った。
「シャルナーク様も隅におけませんな!
分かりました!
そう言う事なら精一杯作らせていただきます!」
刀鍛冶師はそう言って部屋から出ていった。
俺は相変わらず鏡を取り出して、眉毛をじっと見た。
心なしかさっきよりも、ふさっ!としている感じがする。
俺はエレナに惚れかけていた。
いや、もうすでに叶わぬ恋をしているのかもしれない。
そんな自分がなんとも、不思議で、こそばゆく、アホみたいだ、と思った。
だが、誰かを好きになると言うのも案外と悪く無いじゃないか?
そうも思った。
そして、俺は政務に戻り、書類の山を片付けていくのだった。
俺は政務に戻った。
だが、政務の書類を片付けていても、頭に浮かぶのはエレナのあの笑顔だった。
バカな…
俺などが恋などしてどうすると言うのだ…?
俺はガイコツだぞ。
エレナだって、そんな俺に抱かれるのは、嫌だと言っておったでは無いか。
そうだ、俺はガイコツだ…
ふと、鏡を取り出して自分の顔を見た。
青白く、こけた頬に窪んだ目、紫色の唇…
何度見てもガイコツはガイコツだ。
何も変わらなかった。
だが、俺にはまつ毛が生えた…
そう思って目の部分をアップにすると…
ん?
んんん!?
眉毛が…!
眉頭に…!
うっすら金色の毛が…!
嘘だろう!?
まつ毛だけでも大喜びだったのに…
眉毛まで…
彼女は…エレナは…
俺の女神なのかもしれない…!
本気でそう思った。
ずっと鏡を食い入るように見ていると、呼んでいた刀鍛冶師が現れた。
「シャルナーク様。
今日はどのようなご用件で?」
刀鍛冶師は少しぶっきらぼうに言う。
「あぁ、それがだな、こんなフライパンを作って欲しいのだ。」
俺はエレナが描いた絵を見せる。
「はっ?
これは…
四角いフライパンでございますか?」
「あぁ、できぬか?」
「いえ、型を作って焼けば同じ要領でできますが…
このフライパンで一体何を…?」
刀鍛冶師は不思議そうな顔でそう尋ねた。
「それが、俺にもさっぱり分からぬのよ。」
俺は言った。
俺に分からぬ事など数えるほどしか無いと思っていたが、どうやら、また増えたようだ。
「はぁ…
分かりました。
一二週間いただきますが、良いですか?」
刀鍛冶師は絵の描いた紙を胸ポケットに入れて言う。
「あぁ、構わんぞ。
いつまでに欲しいとは言われて無いからな。」
「おや、シャルナーク様、女性へのプレゼントですか?」
刀鍛冶師は少し揶揄うような口調でそう言った。
「ゴホンッ!
ま、まぁ、そんなところだ。」
俺は少し照れてそう言った。
「シャルナーク様も隅におけませんな!
分かりました!
そう言う事なら精一杯作らせていただきます!」
刀鍛冶師はそう言って部屋から出ていった。
俺は相変わらず鏡を取り出して、眉毛をじっと見た。
心なしかさっきよりも、ふさっ!としている感じがする。
俺はエレナに惚れかけていた。
いや、もうすでに叶わぬ恋をしているのかもしれない。
そんな自分がなんとも、不思議で、こそばゆく、アホみたいだ、と思った。
だが、誰かを好きになると言うのも案外と悪く無いじゃないか?
そうも思った。
そして、俺は政務に戻り、書類の山を片付けていくのだった。