【完結】最強魔導士様に嫁ぎました

50 初夜にて

sideロロドロア

好き勝手するサラナをキリアヌスが気を利かせて外に誘い出し、彼女は大喜びで付いて行った。

そんな最悪とも言える披露宴も終わり、俺たちはマイホームに帰った。

そう、今日は一応の初夜だ。

しかし、シェリエの気持ちを考えると、到底迫る気にはなれなかった。

「シェリエ…」

「心配してくれるのですね。
でも、私、あの言葉に嘘はありませんのよ。
もしも私に治癒魔法が授かっていたら、あなたとは出会えなかった…」

「そんな君を心から愛している。」

俺はシェリエの少し冷たくなった手を取り、そう言った。
愛してる、などとこの人生でまさか自分が口にするとは思わなかった。

だけど、率直な気持ちだった。

「私も…です…わ。
ロロド…」

彼女は少し頬を赤めて、俺をそう呼んだ。

「そう呼ぶのは、ベッドに入ってからにしてくれない?」

「もうっ!」

そんな会話をして、俺の寝室に彼女を抱き上げ連れていった。

その短い間、彼女は腕の中で眠ってしまった。

疲れていたのだろう。
久しぶりのパーティーだったし。
最低な妹は来るし。

俺はがっかりはしなかった。

腕の中で天使のように眠る彼女をしばらく見つめて、ベッドに寝かせた。

そして、俺は飽きる事なく、朝までその寝顔を見ていた。

♦︎

翌朝。

「ん…」

彼女の長い漆黒のまつ毛がぴくりと動き、彼女は目を覚ました。

「おはよう、シェリエ。」

「ずっと…
起きてましたの?」

「この状況で眠れる男は居ないだろう。
だけど、君の寝顔を見られて嬉しかったんだ。」

「ご、ご、ごめんなさい…
私ったら…」

「いいや、疲れてたんだろう。
おはようのキスはしても?」

彼女はコクリと頷いた。
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